
……やがて、オレンジいろの夕日が 夕空にかかるとき ―こぎつねのたびだちがやってきた。 「さ、いくよ」と、こぎつね。 「そうよ、おいき」と、母さん。 大自然の中でくりひろげられる こぎつねの誕生と成長を描きました。

ふわふわでやわらかな毛並とつぶらなひとみがとてもかわいいこぎつねが主人公です。でも冒険や楽しいことのお話ではなく「生きる」ことを淡々と語っています。
ページをめくっても、おもしろさや笑いはありません。けれど読み終えると、とてもすがすがしくなります。
親のかぎりない愛情と、自然のおおらかさが感じられるあたたい絵がすてきです。静かで力強い文章も、お話にぴったりあっていると思いました。
一人前になって旅立つときの、こぎつねの目が印象に残りました。 (どくだみ茶さん 30代・ママ 女の子6歳)
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