
よその家と自分の家を比べてびっくりした経験は、ありませんか? 遊びに行ったお宅で、驚くような習慣を目にしたり、自分の家ではあたりまえだったことが、よそでは普通じゃなかったり。 この絵本は、特別びっくりなご近所さんのお話です。
てんちゃんは、引っ越してきたばかり。おとなりは「そらさん」といいます。そらさん一家は、一見普通の家族なのですが、家のドアから鳥が飛び出てきたり、お父さんが傘をさして家に入ってみたり、何だかおかしい?!ある日、怪しむてんちゃんを、そらさんちの女の子・くうちゃんが家に招いてくれます。てんちゃんが、おそるおそる、そらさんの家のドアを開けると、「わーっ! そらの うえだー!!」。 予想もつかない景色。雲が浮かび、太陽が輝く・・・、そう、なんとそこは空なんです! リビング、お風呂場、キッチン、どの部屋もふわふわ浮かんだ雲の上。下を見ると目がくらみます。でも、家の中は怖さを忘れちゃうくらいヘンテコなものでいっぱい!洗濯物を干すのは、雲の「ものほしぼうや」。しゃららん!と洗濯物をはためかせ、家中を飛び回ります。呼べばすぐ来てくれる雲のトイレ、「トイレちゃん」。なんだかすごく便利そうですね。てんちゃんは、あっという間にこのおかしな家に夢中になって、くうちゃんと遊びまわるのですが・・・。
こんな奇想天外な「おとなりさん」を創ってしまったのは、『パパのしっぽはきょうりゅうのしっぽ!?』や『ラーメンのかわ』(講談社)など、いつもとびきり愉快な世界を創り出されている赤川明さん。 巻末に、赤川さんからのメッセージがあります。 「世の中にはいろんな人がいていろんな生活をしています。楽しいなあ!おとなりに一歩入れば、もうそこは家(うち)とは違う世界です。面白いなあ!」 知らないこと、新しい出会いがたくさん待ち受けている子どもたち。大きなことでも小さなことでも、たとえおとなりの家の中が空でも(笑)、「違っていて面白い!」と思い切り楽しんじゃう、そんな感覚が子どもたちの世界を広げてくれるんですね。 大胆でユーモアたっぷりのストーリー。アハハと笑って、読み終わると何だかスカッとする絵本です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)


大胆で奇想天外なストーリー、思わず笑ってしまうユーモア精神。赤川明の魅力いっぱいの絵本です。
引っ越してきたばかりのてんちゃんは、不思議なものを見ました。お隣の家のドアから鳥が飛びだしたり、窓から雲が吹きだしたり、おじさんが傘をさして家の中に入ったりしているのです。「ぜったいおかしい」と思って見ていると、女の子が出てきて「あそぼ」。 誘われたてんちゃんが家の中に入ってみると、なんと、そこは空の上!! 目もくらむ高さに、最初はびくびくどきどき。でも、雲の上を歩けば大丈夫。それどころか、眺めはいいし、雲のトランポリンで跳ねたり、雲三輪車をこいだり、楽しいこと、便利なことがいっぱい。でも、てんちゃんのある行動が大嵐を呼んでしまい…。てんちゃん、大丈夫?!

ひっこしてきたばかりの『てんちゃん』。
お隣の『そらさん』のおうちが気になって仕方ありません。
ある時てんちゃんがお隣を見ていると、女の子が出てきて「あそぼ」と手招きしました。
勇気を出してドアを開けたてんちゃんが見たのは…?
題名から予想はつくでしょうが、その後の展開は思いもよらぬことばかりです。
ドアを開けた後の景色に、子供は夢中になること間違いなし!
お隣がこんなおうちだったら、絶対に楽しいだろうなぁ。
個人的には、スリッパちゃんが欲しいです(笑)
なんとも爽快なお話でした。 (ひだまり☆ははさん 30代・ママ 男の子13歳、女の子9歳)
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