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絵本紹介
2022.06.13
わたしの家族は他とはちがう。でも……。 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、家族の多様性をテーマにした絵本『わたしのかぞく みんなのかぞく』。どんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
「自分の家族のとっておきの話を、みんなに聞かせてね」
学校で先生が言う。でも何を話せばいいんだろう。だって、わたしの家族は他とちがうから。黙ってしまった女の子。けれど、クラスメイトたちは次々に自分の家族の話を得意げに語りはじめます。
幼い頃から仲の良かったママとパパ、次々に新しい子がやってくる家、音痴なのに歌うことが大好きな二人のママ、ママとパパとは一週間ずつ公平に付き合う子、おばあちゃんが自分の全てなのだと言う子。
あれ? 家族って思っていたよりもずっと色々な形があるみたい。みんなの話を聞いているうちに、少しずつ心がほぐれてきた「わたし」は、家族そろって出かけた時のことを思い出し……。
子どもの視点で語る、ユニークで個性的な家庭が次々に登場するこの絵本。大人の目線から見ると、その形は想像していたよりずっと多様で複雑にも思える。けれど子どもたちの表情は生き生きとし、とても幸せそう。当たり前ですよね、なにしろ「とっておきの話」ばかりなのですから。
「人とちがうことをこわがる子の重荷を、少しでもとりのぞくことができれば嬉しい」と語るのは作者のサラ・オレアリー。「いろんな家族があるけれど、みんなみんな家族だよ!」。そんなあたたかい言葉をかけれているうちに、勇気がわいてくる子もいるでしょう。知らなかったと驚く子もいることでしょう。知らず知らずのうちに緊張している大人の心をも和らげてくれるようです。
誰かに話すことができれば
「自分の家族はみんなと少し違うのかもしれない……」そう思った時の不安や心細さというのは、計りしれないものがあるはずです。それでも誰かに自分の家族の話ができて、誰かに理解してもらうことができたなら、きっと少しずつでも前に進むことができるはず。さりげなく背中を押してくれるこの1冊。絵本の役割というのは、時代の変化とともに、さらに広がっているのかもしれませんね。
この書籍を作った人
カナダの作家。サスカチュワン美術学校で創作を学んだ。ブリティッシュ・コロンビア大学で脚本制作の学位を取得。「バンクーバー・サン」紙と、カナダの公共放送局CBCラジオで文芸記事を担当していた。現在はモントリオールのコンコルディア大学で子どもの本と脚本の創作を教えている。『サディがいるよ』(福音館書店)、『わたしのかぞく みんなのかぞく』(あかね書房)などをはじめとする多くの絵本で高い評価を得ている。『サディがいるよ』は演劇となりニューヨーク子ども劇場で上演された。子ども向けのアニメーションも手掛ける。
この書籍を作った人
デザイナー、イラストレーター。とくに子どもの本のイラストで知られている。メルホッペンハイム映画学校卒業。アニメーションの短篇やアート作品で多くの賞を得ている。これまで世界じゅうの出版社の絵本や、本と雑誌の表紙の仕事をしてきた。『Hana Hashimoto,Sixth Violin』(Chieri Uegaki)は、カナダ総督文学賞のファイナリストにえらばれ、アジア/太平洋アメリカ文学賞の最優秀絵本賞を受けた。夫と息子とともにトロント在住。
この書籍を作った人
福島県で生まれ育つ。2007年にはじめての翻訳書『シャンプーなんて、だいきらい』(徳間書店)を出版する。訳書に『くらやみきんしの国』『死について考える本』『わたしのかぞく みんなのかぞく』(ともにあかね書房)、『モルモット・オルガの物語』『オルガとボリスとなかまたち』(ともにPHP研究所)、著書に『元号ってなんだろう 大化から令和まで』(岩崎書店)、「感染症と人類の歴史」全3シリーズ(文研出版)などがある。横浜市在住。JBBY会員、やまねこ翻訳クラブ会員。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。