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- ためしよみ
絵本紹介
2022.07.28
絵本ナビに掲載されている作品は、8万冊以上。その中からどんな絵本を選んだらいいのか、情報が多すぎて分からなくなってしまうという方もいらっしゃいますよね。
そこで絵本ナビでは、寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された絵本を「プラチナブック」として認定、とびきりの人気作品としてご案内しています。その中から上位30作品(2022年7月認定)をご紹介したいと思います。多くのユーザーの方から親しまれている作品は……? 絵本選びの参考にしてみてくださいね。
みどころ
金魚鉢にきんぎょがいっぴき。
…あ、きんぎょがにげた!
いったいどこに逃げたのでしょう。どうやら、お部屋のカーテンの模様に隠れているみたい!? 見つけたと思ったら、また逃げ出したよ。
今度は、植木鉢?キャンディーの瓶?盛り付けたイチゴの上?
きんぎょは見つけたそばから、部屋から部屋へ、自由に逃げていきます。それはそれは上手に隠れるのです。ちゃんと見つけられるかな?
そして、最後には…!?
小さな子どもたちから絶大な人気を誇るこの絵本。大好きな探し遊びであるのはもちろんのこと、カラフルなお部屋と愛らしい形をしたきんぎょ、そしてわかりやすい場面転換に引っ張っていってもらいながら、すっかり夢中になってしまうのです。嬉しそうに指をさす様子が目に浮かびますね。
0歳の頃から、何年も繰り返し読み続けている子が多いというこの作品『きんぎょがにげた』は、なんと発売から40年も経つ、五味太郎さんの代表作の一つ。大人になったって、ページを開く度にため息が出るような、決して飽きることのない美しい絵本です。
1歳になったばかりの子どもには、まだ早いかなぁ……と様子をみていたのですが、色がきれいなのが気に入ったのか、自分で本棚から持ってきます。「きんぎょさん、どこ?」って聞くと、「あっ、あっ」と言いながらきんぎょを指差しすようになり、何でも指差して遊んでいます。
(ママじゅん♪さん 40代・ママ 男の子1歳)
みどころ
赤くて、ぷくーっと膨らんだように丸くて、小さな手足がちょこんとついていて、なんだかびっくりしたような顔をしてこちらを見ているのは…だれでしょう?
「だ る ま さ ん が」
ページをめくれば、そのまあるい体が、かけ声と共にゆらゆら揺れ出して……
「どてっ」
あ、ころんじゃった!!
「だ る ま さ ん が」
今度は……
「ぷしゅーっ」
あれ!? なんかぺっちゃんこになってる!!
0歳の赤ちゃんから大人まで笑ってしまうと、発売以来ずっと多くの読者を喜ばせ続けているこの絵本。柔らかそうな丸くて赤いかたまりが、伸びたり縮んだり、転んだり。目をつぶったり、開いたり、笑ったり。おまけに「ぷっ」とする。だるまさんっていう名前なんて知らない小さな子でも惹きつけられてしまっているのが、その反応を見ているだけでわかります。呼びかけるような言葉のリズムも声に出してみれば独特な「間」をつくってくれて、誰が読んだって笑っちゃうのです。
作者のかがくいひろしさんが絵本を作る時にこだわっていたのが「もの」「音」「うごき」「見立て」なのだそう。理屈がわからなくたって、見て、聞いているだけで楽しくなってくる。それがこの絵本の人気の秘密になっているのだということは、多くの読者からの感想を読んでいてもよくわかりますよね。
さらに、ユーモラスだけれど、どこまでも優しさを感じる表情。動きの愛らしさ。だるまさんが転ぶだけじゃない、という意外性。自然とスキンシップを取りながら読んでしまうこと。読んであげる大人の方が先に笑ってしまうこと。
……それらが全部、この絵本が愛される要素になっていることは言うまでもないですよね。
0歳の頃から読んでいますが、子どもが絵本で笑ったのは、この本が初めてです。
体を揺らしながら「だ・る・ま・さ・ん・が〜」とページをめくると、だるまさんが「ぷしゅー」としぼんだり、「びろーん」と伸びたり……とっても楽しい絵本です。息子は、「だ・る・ま・さ・ん・が〜」のページでニタニタ、ページをめくって大爆笑!
普段絵本を読みなれていない主人が読んでも爆笑だったので、パパにもお勧めの一冊です。
(kyuさん 30代・ママ 男の子1歳)
みどころ
表紙にまじめな顔の黒いでんしゃ(きかんしゃ?)。
うしろの車両は空っぽです。
がたん ごとん がたん ごとん
「のせてくださーい」とミルクの哺乳瓶。
でんしゃは、ちょっぴりうれしそうな顔でミルクをのせてはこびます。
がたん ごとん がたん ごとん
そこへ、赤いカップとスプーンが「のせてくださーい」。
がたん ごとん がたん ごとん
のせるものが増えていくたびに、でんしゃがますますまじめな(がんばっている?)表情になるのがかわいらしい。
エプロンをした女の子のところまでお客さんをはこびます。
「がたんごとん がたんごとん」と「のせてくださーい」の繰り返し。きっとこれが小さな子どもたちには気持ちがいいのでしょう。最後は「しゅうてんでーす みんなおりてください」とでんしゃは行ってしまいますが、読み終わるとすぐ「もういっかい!」(あかちゃんは「ん!」と本をたたいたり)の声がかかり、たいていまた最初から「がたんごとん……」とエンドレスで読むはめになる絵本です(笑)。
子どもって、シンプルな繰り返しの絵本、大好きですよね。よびかけて、こたえがあって。それが繰り返される安心感。まっさらな心のつぼを刺激されるのかもしれません。
白・赤・黄・緑などきれいで鮮やかな色のくみあわせや、でんしゃのほのかな表情の変化がたまりません。1987年に発売以来、男女のあかちゃんを問わず、ずーっと人気があって売れつづけている絵本です。
この本を初めて読んであげたのは、赤ちゃんの頃なのに、3歳になった今でも、よんでよんでと言います。内容は、シンプルなんだけど、擬音が耳心地いいのか?「がたんごとん、がたんごとん…」という音を、いつもニコニコしながら聴いています。出てくるものも赤ちゃんや幼い子がわかりやすく馴染みのあるものばかりで、長く楽しめる一冊です。
(はーたんのママさん 30代・ママ 女の子3歳)
みどころ
濃い紺色の夕闇の中で、三角屋根のおうちにあかりがつきます。だんだん姿をあらわす、黄色くかがやくおつきさま。
「おつきさま こんばんは」
目をふせて屋根の上に顔を半分だした、おつきさまの「いいおかお」といったら。小さな絵本のまんなかに、本当に月がのぼったようです。読んであげると、ページをめくるたびに、幼い子がいきいきと反応することにおどろきます。雲に遮られおつきさまが泣きそうな顔をすれば、子どもも心配そう。雲がいってしまえば、あーよかったとほっとします。子どもは胸をときめかせて、おつきさまをながめ、「こんばんは」をするのでしょう。
今宵もまた、夜空を見あげれば、おつきさまに会える幸せ。林明子さんの傑作の一つに数えられるあかちゃん絵本です。
みどころ
はじまりは「しーん」と静か。やがて、「もこ」。地面の一部が盛り上がり。「もこもこ」、それは大きくなり、隣には「にょき」っと新たにちいさな盛り上がり。ページをめくるごとに次々に起こる驚きの展開。それらはどんどん大きく膨れ上がり……そして最後には!?
まったく不思議な絵本です。出てくる言葉は「もこ」「にょき」「ぽろり」と奇妙な擬音ばかり。色や形だって……この絵本を開いて頭にハテナを浮かべながらも、そのまま声に出して読み続けていると、横で赤ちゃんが、子どもたちが喜んでいる。どうやら、知らぬ間にこの絵本の世界に引き込まれて夢中になっているようなのです! まだ経験されていない方は、ためしに手にとってみてくださいね。
みどころ
あかちゃんの「最初の本」として大人気!
「じどうしゃ ぶーぶーぶーぶー」
「いぬ わん わん わん わん」
「みず じゃあ じゃあ じゃあ」
「かみ びり びり びり びり びり びり」
真っ赤でコンパクトなサイズに、たくさんの“音”が詰まっています。
1つの見開きページに、1つの音。シンプルで目をひく絵はもちろん、文字の配置場所もたのしい。たとえば、かみびりびり……のページは、ほんとに「びりびり」と裂けた紙の形に似た配置。文字と絵の効果で、まるで絵がうごきだしそうに見えます。
赤ちゃんがかじっても放り投げても安心の厚紙絵本。ママやパパの声でくりかえし読んでもらえる喜びを味わうことのできる絵本です。
みどころ
きんぎょさんと きんぎょさんが……「くっついた」。あひるさんも、ぞうさんも、おさるさんだって。くちばしや、お鼻、おててを近づけて…「くっついた」!
このシンプルなくり返しを見ているだけで、こんなにも幸せな気持ちになってしまうのはどうしてなのでしょう。すると、おかあさんとわたし。更におとうさんも加わって…「くっついた」!!きっと、くっつく喜びをあかちゃんも家族もみんな知っているからでしょうね。赤ちゃん絵本の定番として大人気の一冊です。
みどころ
野原で白いきれをひろったうさぎは、黒い足踏みミシンでワンピースを縫います。
「ラララン ロロロン わたしににあうかしら」
お花畑をとおればまっしろなワンピースが花もようへ、雨がふってくればみずたまもようへ。それだけではありません。草の実もようになった実を小鳥が食べにきて、小鳥もようのワンピースは空を飛んだりするんです! まるで夢のような「わたしのワンピース」!最後はどんなもようのワンピースになったのでしょう。
1969年の刊行当初から幼い子たちに圧倒的に支持され、今なお、輝きを放つロングセラーです。
みどころ
「いない いない ばあ」
「にゃあにゃが ほらほら いない いない…」
ページをめくれば、おめめぱっちりのにゃあにゃが
「ばあ」。
次はくまさんが、ネズミさんが、キツネさんも。
そして最後にはのんちゃんも「いない いない ばあ。」
何回もめくってみてわかる、赤ちゃんが喜ぶ絵本のつくり。声に出してわかる、その響きの優しさ。その安定した笑顔の繰り返しがこの絵本の一番の魅力です。赤ちゃんとのコミュニケーションに、きっと役に立ってくれるはず!
みどころ
誕生から40年以上も経つロングセラー絵本『しろくまちゃんのほっとけーき』には、子どもたちがほっとけーきが大好きな理由がたくさんつまっています。
お手伝いをしながらほっとけーきを作る喜び。
ほっとけーきが完成していく様子をみる喜び。
(ぽたあん どろどろ ぴちぴちぴち ぷつぷつ…もう音を聞いているだけでツバが出てきちゃいそう)
そして、「おいしい」をおともだちと共有する喜び。
鮮やかな「オレンジ」を基調とした色で描かれた数々の名場面は、子どもたちの心に強烈に印象に残っていき、大人になってもそのワクワクの気持ちが色褪せることはありません。今もずっとこぐまちゃんは子どもたちのおともだちです。
みどころ
「こんな じかんに おきてるのは だれだ?」 ふくろうにみみずく、どらねこ、それともどろぼう?いえ、いえ、夜中に起きているのは……おばけ! おばけの時間です。あれあれ、まだ起きている女の子がいましたよ。いったいどうなっちゃうのでしょう?
「怖いけど、好き」。子どもたちのそんな感情が、この絵本の人気の秘密なのかもしれませんね。
みどころ
「ぐり」と「ぐら」は野ねずみの仲良しふたご。この世で一番好きなのは、お料理すること、食べること。今日も大きなかごを持って、森の奥へ出かけます。どんぐりやくりを拾った後、道の真ん中に落ちていたのは…大きなたまご!さあ、何をつくろうか。
焼きあがったかすてらの場面、その美味しそうなこと!!子どもの頃に読んでから何十年経っても、ママやパパの記憶に残るほどの名場面です。
みどころ
遠く離れた「さきゅうまち」に住むおばあちゃんに頼まれて、あきのお守りにやってきた、ぬいぐるみのこん。あきを見守り、遊び相手としても大活躍のこん。ある日腕がほころんでしまい、おばあちゃんに直してもらおうと二人は列車に乗って旅にでます。無事におばあちゃんのところまでたどり着けるのでしょうか?
みどころ
いずみがもりの木の上にあるお店「からすのパンやさん」に四羽のあかちゃんが生まれました。オモチちゃん、レモンちゃん、リンゴちゃん、チョコちゃん。お父さんとお母さんは、優しく大事に育てました。でも、彼らのおうちはパンやさん。とにかく忙しいのです。そのうち。
一家総出で作ったのは、変わった形のパンばかり。かにパン、うさぎパン、パンダパンにはじまり、バイオリンパン、テレビパン、じどうしゃパンまで、何と80種類以上!香ばしいにおいが森いっぱいに広がり、パンやさんは…大フィーバーです!!
みどころ
ページをめくるとまずどーんと丸ごとの緑のスイカ。さらにめくると、カットされた真っ赤なスイカが「さあ どうぞ」と差し出されます。どれもみずみずしくて本当においしそう。その果物たちが、今度は皮がむかれて食べやすくカットされて迫ってくるわけですから、あかちゃんは、きっとその絵の迫力に釘付けになるでしょう。そして、ママの声によって語りかけられる「さあ どうぞ」の言葉に思わず手が出るのです。絵本の世界に入り込む楽しみって、こういうことなのかもしれませんね。
みどころ
どんどこどんどこ、どんどこどんどこ。ももんちゃんは急いでどこかに向かっています。ひとりで橋を渡り、坂道をのぼり、やっとたどり着いた山の上では大きなくまさんがとおせんぼ。すると、「どーーん!」 ももんちゃんはくまさんを投げ飛ばし、ひたすらどんどこ進みます
「どちっ」あら、たいへん!ころんで頭をぶつけちゃった。でも、ぐっとがまん。ももんちゃんが急いで先でまっていたのは…?
最後は「そうだったのね」と誰もがにっこり安心。簡潔で大胆な展開と、声に出して気持ちのいいリズミカルな言葉に乗って、あっという間に最後のシーンまでひきこまれてしまうママにも赤ちゃんにも大人気の「ももんちゃん あそぼう」シリーズの代表作品です。
みどころ
おじいさんがかぶを植えると、それはそれは立派なかぶが育ちます。ところが、とてつもなく大きなかぶは、おじいさんが抜こうとしてもびくともしないのです。そこで、おじいさんはおばあさんを呼んできて、一緒に抜こうとします。
「うんとこしょ どっこいしょ」
ところが、かぶは抜けません。
今度は、おばあさんが孫を呼んできて、三人で一緒に抜こうとします。
「うんとこしょ どっこいしょ」
ところが、かぶは抜けません。
そこで、孫は犬を呼び、犬は猫を呼び、とうとうねずみを呼んできますが……。
みどころ
ページをめくるたびにいろんないきものが、「ぴょーん」とはねます。かえるが、こねこが、いぬが、ばったも「ぴょーん」!手足をがばっと広げてとびあがる姿に思わず「かっこいい!」「へんなの!」と声が出ちゃう。子どもたちはいっしょに「ぴょーん」ととびあがって大笑い。赤ちゃんから大人までみんなで楽しめる絵本です。
みどころ
今日はいい天気。ご機嫌なぞうくんは、さんぽに出かけます。すると、出会ったのはかばくん。「おや、ぞうくん。どこいくの」「さんぽだよ。いっしょに いこう」すると、ぞうくんはかばくんを背中にのせておさんぽします。すると今度はわにくんに出会って……!? 子どもたちは、このゆかいなさんぽが大好きなのです。
みどころ
うさぎさんは自分で作ったいすを、野原の木の下に「どうぞのいす」と書いた立て札と一緒に置いていきます。最初に通りかかったろばさんは、なんて親切ないすだろう、せっかくだから……と、自分は木の下にすわりこみ、持っていたかごをいすの上に置いたまま、お昼寝をしてしまいます。次に通りかかったのは、くまさん。「どうぞならば」とどんぐりを食べ、次にくる人のために……。
いかがでしたでしょうか。それぞれの作品のページには、たくさんの「読者の声」も掲載されています。まだ読んでことのない絵本や、気になった絵本があれば、合わせてのぞいてみてくださいね!
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。