酒井駒子によるロングセラー絵本の新装版
- かわいい
書店でのイベントでも大活躍するのりたけさんです。
すっかりお馴染みとなっているのは“あの人気職業”のコスプレ!子ども達が興奮しない訳がないですよね。
担当編集者さんからの制作裏話も興味津々・・・。
こんにちは。「しごとば」シリーズ担当編集の沖本です。
前回の広報につづき、今回は『続々・しごとば』ができるまで、編集者がどんな仕事をしているかを、ちょっとだけお話させていただきますね。
新刊づくりの最初の1歩は、打ち合わせから。読者ハガキ、子どもがなりたい職業データなどを、おのおの持ち寄り、新作に登場する職業を話し合って決めていきます。
ラインナップが決まったら、取材先探しスタート!
「しごとば」取材先探しの基本は、「知り合いの知り合いの知り合いも有効活用」。
今回も、絵本ナビの篠さんのお義父様(米農家)、のりたけさんのお母様のご紹介(教師)、読者ハガキを下さった野澤さん(消防士)、弊社広報松谷のお母様のお友達(看護師)、私の母の知り合い(大工)などなどなど、人のご縁を辿りに辿ります
取材に同行するといつも思うのは、のりたけさんの取材力と情報処理能力のすごさ。
相手の懐にすっと入りこみ、さわやかな笑顔で、するすると面白いネタを引き出す様は、まるで熟練インタビュアー。同時にばしばしと写真を撮りながら、大量の情報をスケッチブックに要領よく書き留めていきます。
取材先の方々も、のりたけさんの熱意に応えようと、色々お話して下さいます。
時には取材1日では終わらず、何日か通うことも。現場の人の話をていねいに掬い上げるのりたけさんの取材姿勢が、「しごとば」シリーズの魅力の根底にあるんだと、私は思っています。
取材時は、「これだけの情報をどうまとめるの・・・」と茫然とすることもしばしばですが、のりたけさんからあがってくる下書きは「お見事!」の一言。取材内容がしっかりと整理されて魅力的なページにおとしこまれています。
ラフ(絵本の下書き)があがったら、レイアウト、校正、取材先確認、字句統一、書店さん用ちらしづくりなどがはじまります。取材も同時進行なので、大いそがし。
そうこうするうちに、原画があがってきます。この原画のすばらしさで、俄然元気を取り戻し、ラストスパートへ活力をもらいます。のりたけさんがあちこちに仕込んだ、ダジャレや小ネタを探すのも、心安らぐ楽しみのひとつです。
原画がそろってきたら、装丁家のところへカバーの相談に行きます。どんな本にしたいのかを説明し、どうしたらいい本になるかとあれこれ話し合います。
「しごとば」シリーズの装丁を担当してくれているのは、坂川事務所の坂川さんと朱音さん。坂川さんは軽快にダジャレをとばしつつ、いつも書店でぱっと目をひく、鮮やかなデザインを考えてくれます。
装丁があがり、原稿が整ったらいよいよ入稿!
あとは、印刷所からあがってきた色校正と、原画をにらめっこをして、原画のきれいな色を、印刷でできるだけ再現するように調整をくりかえします。
部決会議で部数が決まったら、紙屋さんと印刷所と製本所に発注書を送り、印刷立ち会いに臨みます。大きな印刷機を前に、刷りだしを見ながら、印刷の方、製版の方と色の最終調整をします。ここで刷られたものが、製本所で本の形になって、約1週間後にできたてほやほやの新刊として、届けられます!
1冊の本ができあがるまでには、驚くほどたくさんの人が関わっています。
そうした人の間をチョロチョロ行ったりきたりして、みんなの力を1冊の本の形にまとめあげるのが、編集者の仕事だと私は思っています。
「しごとば」シリーズは、すでに次作へ向けて進行中!
次回作は、これまたびっくりする位たくさんの人が関わっているプロジェクトが舞台です。どうぞご期待くださいね。
ブロンズ新社・編集部
沖本敦子