一面真っ白の雪景色で、心が温まる親子のおはなし
- かわいい
絵本紹介
2021.06.24
春から夏への季節の変わり目にやってくるのが、梅雨です。雨が降っていて大好きな外遊びがお預けになってしまい、ご機嫌ナナメのお子さんに手を焼いている方もいらっしゃると思います。
「雨の日もご機嫌で過ごせる方法はないかしら?」というみなさんの声を聞きつけたのでしょうか? たくさんの絵本作家さんが、雨の日の”楽しいこと”を絵本で描いています。
かえるは、絵本によく登場する身近ないきものです。
丸くて大きな目、水かきのある特徴的な手などかわいらしいフォルムを持ち、種類によって模様や色もさまざま。さらに、おたまじゃくしからかえるへとわかりやすく成長を遂げるところも、キャラクターとして描きやすいポイントかもしれません。「ケロケロ」とかわいいものから「モーモー」と響く重低音まで、鳴き声のオノマトペも豊富。絵本には有名なかえるがたくさんいますが、ぜひ新顔のかえるたちとも仲良くしてくださいね。
ページいっぱいにのびのびと手足を広げたユーモラスなかえるたち。今にも動き出しそうな生き生きとしたダイナミックな線で、一度見たら目が離せなくなる魅力的な絵を描くのは、『パパのぼり』(文溪堂)や『でんしゃ くるかな?』(福音館書店)、『おひさま わらった』(フレーベル館)などをてがけた、きくち ちきさんです。こだわりの特色印刷で再現された鮮やかな色に、気持ちも明るくなりそうです。
出版社からの内容紹介
食べるのが好きな緑色のかえる、跳ねるのが好きな黄色のかえる、踊るのが好きな桃色のかえる、泳ぐのが好きな青色のかえる、歌うのが好きな橙色のかえる。色鮮やかなかえるたちが次々にやってきて、朝から夕方まで楽しい1日を過ごします。
最後にやってきたのは、みんなが大好きなお父さんかえるとお母さんかえる。
空には色とりどりの星がやさしく輝いて、かえるたちを眠りにさそいます。
ブラチスラバ世界絵本原画展で2度の受賞に輝いたきくちちきさんの描くユーモラスなかえるたちが、大きな見開きに躍動し、かえるが新たに登場するたびに、場面の中に色が増えていきます。特色7色印刷の美しい絵本。
この書籍を作った人
1975年北海道生まれ。絵本作家。繊細さと大胆さを併せ持つ作風が編集者の注目を集めるようになり、2012年『しろねこくろねこ』(学研)『やまねこのおはなし』(作・どいかや/イーストプレス)でデビュー。『ぼくだよぼくだよ』(理論社)など。2013年ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)にて『しろねこくろねこ』が金のりんご賞を受賞する。
野菜だと思ってページをめくると、正体はかえるだった!とびっくりさせられる、異色の”かえる本”です。しかも登場するかえるは、すべて実在するというのだから2度びっくり。擬態している姿がなんともユーモラスで、「いないいないばあ」遊びと同じように楽しめます。
出版社からの内容紹介
すべて実在するカエルたちが登場。カエル好きはもちろん、カエルに興味がなくてもこの絵本を読めば、楽しくおどろいて何度も見返してしまうはずっ!
この書籍を作った人
1994年生まれ。北海道おといねっぷ美術工芸高校、北海道教育大学岩見沢校卒業。 現在は主にカエルのイラストや物語を制作している。好きなカエルはアフリカウシガエル。アフリカウシガエルのお父さんは強くて格好良い。飼うのにもオススメ!
雨、かえる、かさと、雨にまつわるキーワードが全部そろった、ちょっぴりレトロな風合いのイラストがかわいい絵本です。「ぽっつんぽっつん」、「ぴっとんぴっとん」など、雨降りオノマトペの音がたくさん出て来て、声に出して読むのも楽しい! かえるのほかにも、かわいい動物が登場します。
出版社からの内容紹介
かえるのかさやさんは雨が好き。せっせとかさをお店にかざって、お客さんを待っています。でもいっこうにお客は来てくれません。そこで散歩に出かけることにしました。かわいいほのぼのキャラクター新登場。
この書籍を作った人
東京都生まれ。著書に「ぽっつんとととはあめのおと」(PHP研究所)、「かえるのかさやさん」「ねむくまのうた」(共に岩崎書店)など多数。「ないないねこのなくしもの」(くもん出版)で日本児童文芸家協会新人賞、「きつねのでんわボックス」(金の星社)でひろすめ童話賞を受賞。日本児童文芸家協会会員、日本文藝家協会会員。
この書籍を作った人
1980年生まれ。日本児童教育専門学校絵本専攻科中退。かえるのオリジナルグッズを制作。グループ展などに出品。
かえると同じく「雨」も絵本の定番テーマのひとつです。作家によって「雨」の形や音のとらえ方、描き方は千差万別ですが、「雨の日も楽しいよ♪」と子どもたちの気持ちを明るくしてくれるようなおはなしになっています。
いつもにこにこ、ふっくらした顔がかわいらしい「おふくさん」の最新刊。本作では、雨にうんざりして怒った鬼のために、みんなでてるてるぼうずを作ります。てるてるぼうずは、ハンカチや布、頭につめるティッシュや綿、そして紐があれば、子どもでも簡単にできるので、雨の日の工作にぴったり。窓辺にたくさん並べてつるしたり、赤ちゃんメリーのように傘につけてくるくる回して遊んだりして楽しめます。
みどころ
読めば誰もが笑顔になってしまう「おふくさん」シリーズ。
『おふくさん』『おふくさんのおふくわけ』に続く、待望の最新作です。
山の奥深くにある家で、にこにこふくふく顔の10人のおふくさんたちが仲良く暮らしています。
そこへ、毎度お馴染み、おにさんがやってきて……。
「あめを やませろ」と無茶なことをいうおにさんに、おふくさんたちは、「てるてるぼうずを つくりましょう」と提案します。
♪てるてるぼうず〜 てるぼうず〜 あ〜した てんきにしておくれ〜♪
おふくさんたちが並んで歌う様子は、なんともユーモラス。
歌が繰り返されるたびに、おにさんの顔もどんどんゆるくなっていきます。
「ふくは ねてまて。ゆったり まてば ふく きたる」
「つらいことは、こころに つめたい あめが ふりつづくように、
ふあんになったり、しょんぼりしたり…
でも そんなときは、『ふくはねてまて』
ゆったり ねむって、まってみて。
めざめたときには、こころに ひがさしこんで、
きっと きもちが はれている!」
これは、作者の服部美法さんのメッセージです。
梅雨時期のちょっと憂鬱な気分も、この本を読んだら晴れるかも?
笑顔で福を招きたいですね。
この書籍を作った人
三重県生まれ。大杉華水氏に師事し、伊勢型紙を学ぶ。子どもの本の専門店「メリーゴーランド」(三重県四日市市)主宰の「絵本塾」に参加。絵本作品に『おふくさん』(大日本図書)、「もりのちいさな はいしゃさん」シリーズ(文・上平川郁里/山画廊)、『つきに いった うさぎの おはなし』(学研)などがある。
「雨の音ってこんな風に表現できるんだ」と大人も思わず引きこまれてしまう、歌人・東直子さんによる文。そして、しずる感を感じる木内達朗さんの絵の見事さに思わずため息がこぼれます。「絵を読む」という絵本の魅力を凝縮させたような、素敵な1冊です。
この書籍を作った人
東直子1963年広島生まれ。歌人・小説家。1996年「草かんむりの訪問者にて」で、第7回歌壇賞受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』(本阿弥書店)、『東直子集』(邑書林)。歌画集に『愛を想う』(画・木内達郎 ポプラ社)。小説に『さようなら窓』(マガジンハウス)、『とりつくしま』(筑摩書房)、『ゆずゆずり』(集英社)。絵本は『あめ ぽぽぽ』(くもん出版)が初めての作品。ミュージカル脚本やエッセイ、ラジオ・テレビ出演など幅広く活躍中。
この書籍を作った人
1966年東京生まれ。イラストレーター。国際基督教大学教養学部生物科卒業後、渡米。Art Center College of Design卒。ボローニャ国際絵本原画展入選。アメリカン・イラストレーション年鑑等入選。講談社出版文化賞さしえ賞受賞。絵本に『蟹塚縁起』(梨木香歩・作 理論社)、『氷河ねずみの毛皮』(宮沢賢治・作 偕成社)。一般書の装丁画に『きみの友だち』(重松清・作 新潮社)など。
雨が降ってきたら、雨具に着替えてかさを持ってお外に出発! 雨の日ならではの遊びに夢中になっているおねえちゃんとおとうとくんの姿が、なんとも楽しげです。「こんなこと言っているのかな?」「ここにはどんなお楽しみがあるんだろう」と想像がふくらませながら、自分だけのお話を紡いで楽しんでみてはいかがでしょう。
この書籍を作った人
1927年6月6日 オランダのアムステルダム生まれ。 有名なジャーナリストでイラストレーターでもある父の影響を受けイラストを描くようになります。 海軍で兵役を終え、オランダで雑誌記者をつとめた後、1952年にアメリカへ渡りニューヨークでイラストの仕事を始めます。以後100冊以上の絵本のイラストの作品を生み出しています。初めて文も手掛けた「きつねのとうさんごちそうとった」ではコールデコット・オナーブック、「ノアのはこ船」では1978年コールデコット賞を受賞しています。 現在は奥さんのキャサリンさんとロングアイランド在住。
楽しみにしていた行事が雨で中止になって、悲しい思いをした経験ありますよね? こぐまのモンタも、雨で遠足が中止になってお布団の中で泣いてしまいます。するとおかあさんが素敵なアイデアで、モンタを遠足に連れ出します。いったいどこに行くのでしょうか?
みどころ
「あかあさん、あしたの おべんとうに
たまごやきは ぜったい いれてね。
あとね、ハンバーグとね・・・・・」
準備はばっちり!こぐまのモンタは明日の遠足がまちきれなくて、
お母さんにお弁当のリクエストまでしています。
ワクワクする気持ちをおさえてようやく眠りにつきました。
ところが、朝になってお外を見ると雨です。幼稚園からは「雨天中止」の連絡。
あんなに楽しみにしていたのに、そんなのいやだよ!!
あまりのショックにお布団の中で泣いていたモンタにお母さんが言います。
「モンタ、おきて。えんそくに いくわよ!」
外はまだ雨なのに、お母さんどういうこと?
モンタとお母さんはどこに遠足にいったのでしょうか。
お母さんはモンタのためにとってもとっても素敵な遠足を用意してくれたのです!
見ているだけでほんわかしてしまう、可愛いくまの親子。
雨の日の遠足という素敵なお話を優しい眼差しで描いたのは、まつおりかこさん。
どこにいたって、どんな時だって、イマジネーションを少しだけ働かせれば、
楽しい遠足の思い出を作ることができるんだって、モンタくんのお母さんは教えてくれます。
大人が真剣に子どもの目線で楽しめることが子どもの空想を本物にする瞬間なのだと気づかされる作品です。
雨の日じゃなくても、晴れの日でも読んであげたい絵本です。
この書籍を作った人
1989年大分県生まれ。東京都育ち。女子美術大学版画コース卒業。見る人の気持ちをあたたかくする絵を描く。喜怒哀楽の表情が豊かな動物が特長。作品に『あめのひえんそく』(岩崎書店)、『おふろだいすき! しろくまきょうだい』(教育画劇)、『いっしょにあそぼう いない いない ばあ!』『ねんねのじかん ねてるこ だあれ?』(共に永岡書店)がある。