「おひさま かんかん あついひ、ぽんぽこだぬきは あせびっしょりで ふーらふら。」 こかげでひと休みしたたぬきは、夢をみました。夢のなかでたぬきは、どろろん・・・ぱっと、ひんやりおいしそうな棒つきアイスキャンデーに変身!ページいっぱいのアイスキャンデー、とってもおいしそう。すると、「ぶーん、ちくり」 アイスのてっぺんに小さな細い逆三角形の穴があきました。だれかがアイスをかじったようです。「こりゃ、だれだ?」 木曽 秀夫さんのしかけ絵本シリーズ第4弾。実際のページに穴があいていくので、アイスが本当に食べられたみたいでワクワクします。ページをめくると、「あつくて かっかしていた ちいさな か アイスを たべて あー すずしい」満足げに蚊が飛ぶ姿が。アイスをかじったのは、蚊の小さな口だったんですね。 またアイスに穴が空きました。「ちょこり かりっ」今度は左上にこれまたちいさなかじり跡。ページをめくると、「すずしくなったぞ ありがたい」とアリがほっと一息。 こんな風に、どんどんアイスはかじられて穴が空いていきます。だんだん、誰かの「ひとくち」の跡は大きくなって・・・。 いろんなサイズ、いろんな形で、ページ上の穴はどんどん広がっていきます。ありさんのひとくちは小さいね、アオムシのひとくちはジグザグしてるね。なんて、読みながら自然に会話が生まれそう。最初に空いた穴が、お話が進む間にちょっとずつ大きくなっていくのも面白い!アイスですもんね。溶けるんですよね。 形のクイズをしながら、穴を指で確かめたり、文章の言葉遊びとリズムを楽しんだり。親子の読み聞かせで、お話会で、楽しくコミュニケーションを深めてくれる絵本です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
夏の暑い日、木陰を見つけたたぬきはひとやすみ。たぬきが見た夢とは…?ストーリーにあわせて、いろいろな形の穴が抜けていく楽しいしかけえほん。
暑いからと言って、アイスに化けることもないかと思うのですが、このたぬきアイスが、夏の生き物たちに型抜きのようにかじられていくところに、また熱さを感じます。
かたどられた傷で、何がかじったのかを当てるしかけは面白いのですが、夢で良かったです。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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