この町に住む動物たちは、誰もが素敵な紳士淑女でございます。 動物たちは、ご自慢のトップハットに蝶ネクタイ、二本足で優雅に歩き、 ティータイムには、おすまし顔でお茶をいただきます。 お外で偶然お友だちに会ったのなら、お帽子をとってご挨拶いたします。 もちろん、子ども達だってお行儀の悪い子はいけませんのよ。
誰が見ても恥ずかしくないきちんとした、お行儀の良い町。 けれどもそんな世界にうんざりしている動物がひとり。 トラさんは息が詰まるこの町を眺めながら思うのです。
はじけたい。さわぎたい。 ・・・いっそ、あばれたい!!
みなさんも同じように感じたことがあるかもしれませんね。私はあります! ましてやトラさんは動物ですもの。 もっと獣のように自由に走り回って、心ゆくまで雄たけびをあげてみたいはずですよね。 そんなある日のこと。トラさんは思い切って動物本来の姿に戻ることにしたのです。 ところが、あまりにも突然のお行儀の悪さに町の住人たちは大騒ぎ。 すぐにトラさんは町から追い出されてしまうのですが・・・。
色あせたセピア色で描かれた色彩のない上品な町とその動物たち。 その中に一人だけ自分の色をカラフルに放つトラさんがとても印象的なこの絵本。 本来あるべき姿に戻っていくライオンの伸び伸びとした立派な姿には、 読んでるこちらも自由を纏ったかのように一緒にあばれたくなりますよ。 気持ちの良い結末を是非とも親子で楽しんでほしいです。 作者のピーター・ブラウンさんからのメッセージがたっぷりつまった絵本です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
今のままでいい。みんながそう思っていました。でも、トラさんは違いました。いつも行儀よくしていることに、うんざりしていました。トラさんは思いました。はじけたい、さわぎたい、いっそ暴れたい、と。そして、ある日…。
このお話は、町で直立二足歩行できちっとした服を着て、礼儀正しく生活している動物たちのお話でした。でも、その中の一匹のトラのトラさんがあるひ本当のトラみたいに騒ぎ始めました。はじめはトラさん一匹だったのですが、だんだんみんなもトラさんが楽しく見えたのかマネっこしていました。やっぱり動物は野生が一番ですね。 (イカリサンカクさん 30代・ママ 男の子7歳)
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