「やぎのしずか」シリーズ。 今回しずかは、ナマズの作った「しんみりするうた」を聞いて、「しんみりってなんだろう?」と考えます。
「しんみり」について考えるしずかは、今まで気にとめなかったいろいろなことを、あらためて見つめなおしていきます。
急に静かになって、ぽとりと地面に落ちたセミ。 だれにも知られずに、きらきらときらめくクモの巣のうえの朝つゆ。 食べられてしまって、咲くことのできなかった花のつぼみ。
ありふれてあちこちにあるさまざまな「しんみり」に、しずかはさめざめと涙します。
前作「やぎのしずかのたいへんなたいへんないちにち」とうってかわって、全体を通して穏やかな、まさしく「しんみり」した1日の物語。
「しんみり」だったり、あるいは「せつない」だったり、ただ悲しいのとは少しちがう、そんな胸の痛みの不思議について考えるきっかけになる絵本。 しずかといっしょに、「しんみりってどういうことだろう?」そう考えながらあたりを見回してみると・・・ ふだん気づかないものを美しいと思えたり、小さなものにやさしくなれるかも。
それですこしかなしい気持ちになったなら、しずかとその友だちが物語の最後に歌うその歌を、想像しながらいっしょに歌ってみてください。 ほのかな希望と救いのある結末が、やさしい気持ちを育む一冊。
(堀井拓馬 小説家)
しずかが草を食べていると、セミが落ちてきました。おどろいていると、アリがやってきてセミを運んでいきます。しずかがあとを追ってしげみに頭をつっこむと、そこには、きれいな玉になって朝露がかがやいていました。「あなたたちは、こんなにきれいなのに、なぜだれにも気づかれないでキラキラしているの?」「ねえ、セミは死んだら、もううたわないの?」しずかがきいても、だれもこたえてくれません。そのあと、今にも咲こうとしている花のつぼみを食べたことを友だちのバッタにからかわれたしずかは、気持ちがこみあげてきて、しみじみと泣いて
しんみりってなあに?と聞かれたら、子供に分かるように説明するのは難しいなぁと思いました。だけど、この本を読むことで、なんとなーく、しんみり、が伝わったような気がします。悲しい、とはちょっと違うし、子供がしんみりする場面って思いつきません…。なぜ、ナマズはしんみりる歌を作ったのかそちらもちょっと気になりました、
(ままmamaママさん 30代・ママ 女の子9歳、女の子5歳、男の子3歳、女の子1歳)
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