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1944年9月日本軍により中国から連れ去られた劉連仁。苛酷な炭坑労働から逃亡し北海道の山中で一人、13年間生き抜いた魂の記録。
2016年、第62回青少年読書感想文全国コンクール『中学生』の課題図書に選ばれている1作です。
第二次世界大戦中当時、日本に無理やり連れてこられた中国人・劉連仁さんの人生を描いた物語でした。
劉さんのように大陸から強制労働者として、日本に連れてこられた人は中国人だけで38935人もいたそうです。さらに朝鮮半島からは66万人以上連れてこられた。といわれています。
今の時代の日本の子どもたちには、中国や朝鮮から連れてこられた「強制労働者」といっても、それがどんな人たちで、どういうことをさせられていたのかは、
例えばよく映画になるドイツのナチス政権が行った『ユダヤ人大虐殺』よりも知識がないのではないでしょうか?
(この作品は、事実を基に劉さんに起こった辛い出来事を中学生にもわかる言葉で綴ってくれています。
こうして文字にすると(簡略にまとめているせいもありますが)たかが数ページの出来事ですが、
劉さん本人にとっては実に約14年間(1944〜1958年)もの間、
知らない土地で誰も頼るものもなく、隠れ住んで生きていた時間だったんです。
このことを、私たちは日本人としてもっと正しく実感しなくてはいけないと改めて思いました。
こういう機会だからこそ、読んでおいてほしい1冊です。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子16歳)
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