「絵本がすべて何とかしてくれる」とは思っていなかったけれど、実際に子育てが始まってみると、この絵本っていうのが思ったよりもずっと気さくで親しげだってことに気が付くのです。息子の成長に合わせて控えめに、でも上手に相手をしてくれるのです。時には笑わせてくれたり、優しい言葉で親子の心をまるごと包み込んでくれたり。なんでもない日常が楽しいイベントになっちゃうことだってあります。
なんて頼りがいのある相棒なのでしょう。この「絵本が存在する子育て」という経験をたくさんの人に伝えたい。絵本を広く紹介していくことで、少し心が軽くなってくれる親子がいるかもしれない。それなら私に出来ること―――。
そんな思いがきっかけとなって生まれた絵本ガイドブックです。ポンコツママである私と極めて平凡な息子との、役には立たない子育てエピソードを笑い飛ばしながら、一冊でも多くの絵本との出会いの場になってくれたら嬉しいです。
(磯崎 園子 絵本ナビ編集長)
【目次】 1.夢中を育てる絵本たち 「セミとり隊長」がいく/いつ終わるの?一大おばけブーム到来/絵本がさき?経験がさき?/男の子生態図鑑絵本のすすめ
2.子育ての味方になる絵本たち 迎えに行っても「帰らない」/送っても「まっすぐ行かない」/お風呂の中は修行の場!?/ねない子だれだ?ぼくです。/絵本はしつけの役に立つ?立たない?
3.家族と私と絵本たち じいじとの特別な関係/パパと息子と絵本/いい子ってなんだろう?/ママだって成長したい!
4.あかちゃんと絵本たち 救ってくれたのは絵本と見知らぬおばさん/実験と観察の日々!?/絵本にとっては名誉の負傷!?/その可愛さでご飯三杯いける
5.ママの心に寄りそう絵本たち ママの不安な心を助けてくれるのは?/怒ってる場合じゃない!?/ママスイッチってあるのかな/ひとりじめしたくなる絵本
うれしい時も泣きたい時も、いつだって絵本はママの味方! 絵本ナビ編集長・磯崎園子がおくる ママの気持ちがかるくなる絵本ガイド誕生
☆「男の子ってどうしてこうなの?」に答えてくれる絵本は? ☆「なかなか◎◎してくれない」ときに役立つ絵本ってある? ☆「家族とのかかわり」をたいせつにしたくなる絵本は? ☆「あかちゃんのかわいらしさ」を堪能する(思い出す)絵本は? ☆「ママスイッチ」が入ったママにおすすめしたい絵本はどれ? どうぞ、あなたの心に寄りそう絵本を見つけてください。
子育て真っ最中のママへ、これからママになるかたへ、子育て卒業のママにもおすすめ! がんばるママへのプレゼントとしても最適です。
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著者について 1974年、愛知県生まれ。絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本作家さんへのインタビューやおすすめ絵本の紹介、絵本ナビコンテンツページの企画制作などを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。私生活では中学生の母としての顔を持つ。
0歳子育て真っ最中の新米ママです。
めまぐるしく変わる成長を喜びながらもその早さについていくのがやっとだったり、私の育児これで良いのかな、と不安になったり。息子のことで気持ちが良い方にも悪い方にも揺れる毎日の中、この本に出会いました。
読み終えて、ひたすら、ほっ。気づかないうちにがっちり入っていたらしい肩の力が抜け、ふわっーと温かな安堵感に包まれました。
「あかちゃんと絵本たち」の章ではひたすら共感し励まされ、「ママの心に寄りそう絵本たち」では、一文一文が心の深いところにすっーと入ってきて、思わず涙がほろり。「夢中を育てる絵本たち」「子育ての味方になる絵本たち」では、まだ見ぬ子育ての大変さをのぞき見るようでドキドキしながらもたびたび笑わせられて。磯崎さんの言葉にかかればその大変さも何だか楽しみになってしまうから不思議です。
中でも一番ぐっときてしまったのは「ママスイッチ」という言葉。子どもを産んでから、いろんなニュースを見ても聞いてもあらゆる痛みが自分のことのように迫ってきて、心配事も次から次へと。いったいどうしてしまったのだろう?と思っていた私にとって「ママスイッチ」という言葉はぴたりとはまり、こんな気持ちになるのは私だけではなかったのだということに強く励まされました。
紹介本に繋がるエッセイがあまりに面白いので、ついついそちらの感想ばかり書いてしまいましたが、もちろん絵本ガイドブックとしてもかなり助けられそう。
ロングセラーから出たばかりの話題の絵本まで、子育て中に手にとりたい、お風呂、歯みがき、トイレトレーニング、おやすみの絵本や、子どもに読んであげたい保育園・幼稚園の絵本、虫、おばけ、乗り物絵本、ママが自分のために楽しむ絵本など、これ1冊でとびきりのおすすめ絵本に135冊も出会えるなんて、なんてありがたいのでしょう。さらに、ユーモラスだけれどなぜか泣けてしまうイラストも素敵なのでご注目を。
この先、子育てに奮闘しながら合間合間にお世話になるに違いない、頼もしいお守りのような1冊です。 (やまねこ軒さん 30代・その他の方 )
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