今日は、おとなりさんが越してくる日! 小学四年生のあいりは、この日を楽しみに待っていました。 知り合いの紹介でやってくるその一家には、同い年の女の子がいるというのです。 ところがまさかの想定外! やってきた家族は──なんとミャンマー人!?
同級生の女の子、ナーミンのつたない日本語や、おどおどと不安げなたたずまいに、はじめはとまどっていたあいり。 でも、礼儀正しく、がんばり屋さんで、お料理だって上手にできるしっかり者のナーミンと、あいりはすぐに仲良しに!
新学期がはじまって数日。あいりの手助けもあって、学校にだってすぐなじめると思っていたけれど……
「難民だから、ナーミンなんじゃないの」
クラスの男子の悪ふざけをきっかけに、ナーミンが日本に来ることになった経緯が語られるのですが──
青少年読書感想文全国コンクール、小学校中学年の部の課題図書として選出された一冊。
ミャンマーといえば、民主化運動を主導しノーベル平和賞も受賞したアウンサンスーチー氏や、壮大な仏教遺跡…、 ニュースで聞いたことはあるけれど、実際にどんなところなのか詳しいことは知らないという方も多いのではないでしょうか。
麺料理のモヒンガや民族衣装ロンジー、そして、日本でおこなわれるミャンマーのお祭りなど── ナーミンとあいりたちとの交流を通して、「アジアのご近所さん」であるミャンマーの楽しい文化や、日本との意外な関わりを知ることができるのも、この作品のみどころのひとつ!
しかし、ミャンマーという国でおこなわれた理不尽な弾圧と暴力についても、この作品ではふれています。
今、世界中で取りざたされ、様々な議論が交わされている難民問題。 日本の子どもたちには、具体的にイメージすることがむずかしい問題かもしれません。 けれども本書は、相手の立場に立って想像すること・思いやりをテーマにして、難民問題をわかりやすく身近に感じることができます。 おはなしを楽しみながら、世界で起きている問題について考える入口になってくれる一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
ミャンマーからナーミンが転校してきた。あいりはすぐになかよくなるが、給食の時に事件が起きる。だがそれをきっかけに、ミャンマーの食べ物やあいさつを教え合い、日本に暮らす難民のことも学び、クラスがまとまっていく。
小学校中学年の読書にぴったりな1冊に思いました。
ちょっといたずらが過ぎる場面もあるのですが、子供ってこういう残酷なこと言ったりもありますからね。
異国を知る、社会を知る、自分とはまた違った境遇や環境にいる人たちがいることを知る。
大切ですよね、そして、そこから考えてみる想ってみる。
調べ学習、これも小学校中学年らしい内容に思いました。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子9歳)
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