雨がふって、葉っぱの下であまやどり。退屈していたてんとうちゃんのところにやってきたのはかたつむりくん。 「あ、かたつむりくん!のせて」 「ぬっふん。のせてあげても いいのよ〜ん」
かたつむりくんの進み方は驚くほどゆっくり。 「ねえ、もっと はやく すすんでよ」 だけどかたつむりくんは、ぬるるん るん るーん。 「ぬふふ。ぼくは、いつでも ゆっくりなのよ〜ん」 どうやら、かたつむりくんのペースがあるみたい。 ゆっくりゆっくり、ぬるるん るーんの彼だけど、意外と進む道は勝手気ままな回り道。危険な道だってなんのその。てんとうちゃんの知らない角度から見えてくる景色は何だかひと味違うのです。 「やってみなくちゃ わからないのよ〜ん。びっくりも たのしむのよ〜ん。」 むむ、なんだか深いぞかたつむりくん。
ぬるるん時間にすっかり慣れてきた頃、かたつむりくんはてんとうちゃんに大事なことを教えてくれます。 「ほおら、ね!」
読み終わった後に思うのは、自分のこと。毎日慌てていて、何か大事なことを見逃していないかな。もしそうだったとしたら、もったいない! なんだかもうちょっとだけ自分時間を大切にしてみたくなるのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
お庭の哲学者・かたつむりくんの「ゆっくり ゆっくり哲学」で、 親子のゆったりのんびり時間を味わってみませんか?
「ねぇ、もっと はやく すすんでよ」 てんとうちゃんに言われても、かたつむりくんは、どこふく風。 「ぬふふ。ぼくはいつでも ゆっくりなのよ〜ん」 イライラするてんとうちゃんですが、かたつむりくんと、ゆーっくりすすんでいるうちに、なんだかいつものお庭がちょっと違う。あれれれれ? 早いからいいってわけじゃない、それぞれ自分のペースってきっとある。かたつむりくんの言葉にドキリとしつつも、かとうまふみの描く、ちょっと懐かしい雨の風景にゆるゆる心がほぐされる絵本です。
らいおんbooks第3弾!
かたつむりくんからいろんな事を教わったてんとうちゃんです。
ゆっくりだから見えるもの、角度を変えるから見えるもの、やってみるから見えるもの…。
危険を感じたらとじこもるからを身につけているから安心だとも。
ゆっくりだけど、前向きなかたつむりくんです。
急かされるよりも、大切なことを教わったように思います。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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