むかしむかし、大臣の娘として生まれた中将姫。 小さい頃に母親を亡くし、その後新しいお母さんと幸せに暮らしていました。
ある日、帝の前でお琴を見事に演奏し、とてもほめられた中将姫。 すると、その姿を見たお母さんの中に、嫉妬の炎が燃え始めます。 そして弟が生まれると、お母さんは恐ろしい計画を企てるのでした──。
歌舞伎、講談、人形浄瑠璃など、 かつてさまざまな形で語られていた名作を 子どものための読み物に。
子どもの頃、かぐや姫などの古典物語集の本に、中将姫のおはなしがありました。
大人になって、インターネットが普及した頃、ふと中将姫のおはなしを思い出し、検索したら、
あっという間に當麻寺の曼陀羅のことまでわかりました。
後日、実際に當麻寺を訪れ、そこで編纂された物語を購入し、再読したら、その物語の深さに感銘を受けました。
今作はその物語をほぼそのままでやさしく書き下ろしてあり、その説話の魅力を深くくみ取ってあり、嬉しく思いました。
信心深い中将姫のエピソードです。
幼くして、母を亡くし、継母にねたまれた中将姫。
どんなにひどい仕打ちを受けても、信心の心のせいでしょうか、
ひたすら、周りの人々(継母も!)の幸せを祈り続けた姿が神々しいです。
子ども心に印象的だった、蓮の糸で織られた曼荼羅の様子はやはり素敵です。
心が浄化されるような物語だと思います。
小学校高学年くらいから、清らかな心を感じてほしいです。 (レイラさん 50代・ママ )
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