日曜日の朝、ぼくあてに届いた謎の手紙。
「きみに、とくしゅにんむをあたえよう。 いまから、いそいで 公園のベンチに行け! ただし! 公園につくまで、ぜったいに だれにもみつかってはいけない…」
“ミスターXより”って…誰? とくしゅにんむって何?? 戸惑っているぼくの手から手紙を取りあげ、おにいちゃんが言う。
「おもしろそうじゃん。おれが いってきてやるよ」 「まってー! ぼくもいくー!」
こうして兄弟二人、日曜日の大冒険がはじまります。お兄ちゃんは、案外手紙に忠実。誰にも見つかってはいけない特殊任務をきちんと遂行するのです。まいちゃんに見つからないように電柱に隠れたり、お散歩中の犬におしっこかけられそうになってもがまん、がまん。なんだかスリル満点で…楽しい!!ドキドキしているのに、笑っちゃう!!
無事に公園のベンチに着くと、今度は新しい指令の書いた手紙。次から次へと続く指令に従って、二人で公園内を進んでいくと、行き当たったのは……!?
はたこうしろうさんの、『むしとりにいこうよ』『ふゆのむしとり!?』『いそあそびしようよ!』『みちくさしようよ!』に続く、お兄ちゃんと一緒に遊びに行く絵本シリーズの最新刊。いつの間にかすっかり男らしくなってきたお兄ちゃんと、ちょっと大きくなったけど、まだまだ可愛い「ぼく」の関係がまたまた楽しめます。二人の会話や表情、そして先の見えない展開に引き込まれていった頃、最後に登場するのは二人の思い出の場所。素敵な結末に心がじんわりしてきます。いつの間にか親心も生まれちゃったりして…!?やっぱりお兄ちゃんは遊びの天才なのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
日曜日、ぼくあてに謎の手紙がとどいた。「とっくしゅにんむをあたえよう。今から公園に行け! ただし、公園につくまで絶対にだれにも見つかってはいけない。」なにこれ? おもしろそう! ぼくとお兄ちゃんで冒険に出発だ!
作者の実体験が投影された兄弟のダイナミックな遊びが魅力です。
『みちくさしようよ!』などのこの作品群、
兄弟が少しずつ成長しているようですね。
弟のぼくの視点で物語が進みます。
日曜日に届いた、ぼく宛の手紙は、ミスターXからの特殊任務。
もちろん、お兄ちゃんと出かけます。
やはり、最初の「絶対に誰にも見つかってはいけない」条件で公園へいくのが、
とてもスリリングです。
公園に着いたら、たくさんの指令が本格的なミステリーっぽくて、ワクワクです。
ミスターXの正体は最後まで明かされないのも、余韻があっていいですねえ。
そう、特別な場所や物が無くても、こんなに豊かな遊びができるのです。
そして、この兄弟の様々なとびっきりの表情が素敵です。
ドングリのくだりは、立派な学びの場。
素晴らしいです。
子どもたちの遊びのヒントとなりそうです。
小学生に、ぜひ。
(レイラさん 50代・ママ )
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