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白い炎のように輝くすすき野原で、嘉十は自分の耳を疑った。 それは、聞こえるはずのない鹿のことばが聞こえてきたからだ! 自然と人との交信が、東北の言葉とともにユーモラスに神々しく語られる。
ミキハウスの宮沢賢治の絵本シリーズは、宮沢賢治の作品に、いろいろな作家さんが絵を描いておられ、それぞれの作品ごとに世界が広がり、とても楽しいです。これまでも、宮沢賢治の作品は、いろいろな絵本が出版されていますが、今をときめく作家さんたちが創り出す宮沢賢治ワールドは、斬新で、小さな子どもたちの心もつかむのではないかと思います。
この鹿踊りのはじまりも、ミロコマチコさんの絵がとてもマッチして、躍動感溢れる作品で、読むとこちらまで踊りだしたくなります。ミロコマチコさんの絵は、迫力があり、一瞬で惹きつけられる魅力がありますが、この鹿踊りのはじまりも、表紙を見ただけで、扉の向こうの世界に、鹿たちが誘ってくれます。そして最後は、なんとも言えない余韻が…。絵本は絵を読むものだと改めて感じた作品です。
宮沢賢治の独特な世界観に、個性溢れる作家さんたちの魂が共鳴して、新しい作品が生みだされる。それを手に取ることができる幸せを有り難く思います。
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ないーそう遺した宮沢賢治の作品が、今後も広く大勢の人に愛され、多くの人の心に明るい灯をともしてくださるよう願っています。 (あさみーこさん 50代・その他の方 )
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