美味しいものを作ったら、自分たちだけで食べるのが少しもったいなく感じることってありますよね。 せっかくなら、他の人にも美味しいものを味わってもらいたい。 このおはなしに出てくる、りすのかあさんも、とびきり美味しくできた「きのみのパウンドケーキ」を、仲良しのうさぎさんに食べてもらおうと思います。 しかし、あいにく、うさぎさんは留守のよう。 りすのかあさんは、手紙を書いて、パウンドケーキを置いていくことにしました。
「はんぶんどうぞ! なかよしの ともだちより」
うさぎさんをちょっぴり驚かせようと、名前を書くところに自分の名前を書かなかった、りすのかあさん。 パウンドケーキを見つけたうさぎさんは、手紙を読んで 「まあ、いのししさんかしら? おれいに にんじんゼリーを もっていきましょう」と にんじんゼリーを作って、いのししさんのお家をたずねます。 しかし、あいにく、いのししさんは出てきません。 うさぎのかあさんも手紙を書いて、にんじんゼリーを置いていくことにしました。
「いつもありがとう。なかよしの ともだちより」
にんじんゼリーを受け取ったいのししさんは、「くまさんかしら?」と思って……。 ちょっと変わった勘違い。いったいどこまで行くのでしょうか……?
作者の宮野聡子さんは、『ともだちの ひっこし』や『あとでって、いつ?』(共にPHP研究所)など、子どもたちの繊細な心情をとても丁寧に描く絵本作家さん。 今回の作品の制作で、「はんぶんこ」のお礼が次の動物に渡るアイディアにたどり着くまでに、実に2年半もの間、試行錯誤を繰り返されたそうです。(宮野聡子さん公式ブログより) おはなしの要となっている、「動物たちのかわいい企みと、おもいっきりの勘違い」は読むほどに味わいがあり、この作品ならではのオリジナリティとして、子どもたちもしっかり伝わることでしょう。
大人も子どもも、美味しい食べ物は、いっぱい食べたい。 独り占めしたい気持ちもあるけれど、誰かと分けっこをして食べると、 ひとりで食べるよりもやっぱり美味しいものです。 絵本を読み終わった後は、おやつを半分こしたり、それを誰かにプレゼントしたりして、楽しむこともできそう。 そのときは、お手紙もぜひ書いてくださいね。
(木村春子 絵本ナビ編集部)
『いちばんしあわせなおくりもの』の著者最新作! 「上手に焼けたから、仲良しのうさぎさんに食べてもらいましょう!」りすの母さんは、パウンドケーキを「はんぶんこ」にして、うさぎの家に持っていきました。ところが、うさぎの家は留守だったので、手紙をおいていくことに。そして、ちょっぴり驚かせようと、自分の名前を書くところに「なかよしの ともだちより」と書きました。 うさぎの家族は、にんじんばたけから帰ると、パウンドケーキを見つけて大喜び。「なかよしの ともだちより」という手紙を読んで、「いのししさんかしら?」と思ったうさぎは、お礼ににんじんゼリーを「はんぶんこ」にして持っていくことにしました。ところが……。
美味しくできたから「仲良しの友達に半分おすそわけしよう」という喜びの共有。また、手紙の差出人に「なかよしの ともだちより」と書いて、相手を楽しませようという思いやり。そんな優しさの連続が、最後に美味しい幸せを運んでくれる心温まるお話です。
美味しい物を、おすそ分けするってなんだか幸せな気持ちになりますね。
りすさんがパウンドケーキを半分おすそ分けしたことから始まったおすそ分けの輪。
びっくりさせようとして、仲良しの友だちよりって書いた手紙を添えたことから、
始まります。
出てくるみんなが優しくて、おすそ分けが巡り巡って、また、りすさんのところに戻ってきちゃうのも素敵!
最後にみんなで食べたシチューは、とっても美味しそうでした!
誰かに何かおすそ分けしたくなりますね!
美味しいものは、みんなで食べるともっともっと美味しくなりそうな気がします!
(ピーホーさん 40代・ママ 女の子5歳、女の子3歳)
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