フォックスさんと犬は離れたことがない。いっしょに遊び、おやつを食べ、同じ音楽を楽しんで、冒険にも出かける。とりわけ好きなのは、いっしょに庭仕事をすること。でもある日、思いもしない悲しいことが起きて……フォックスさんは庭をめちゃくちゃにたたきこわしてしまった。豊かな土地はそれでも何かを育まずにはいない。喪失、再生、癒し、そして自然の力を描く、心打つ絵本。2019年のコールデコット賞オナーブック(次点作)。
フォックスさんは、いつも一緒にいた犬を失います。その後のフォックスさん荒れた心を、再び前に向かせる出来事が起こります。
かけがえのない存在を失う経験は、その人の世界を変えてしまうほど辛いものです。それまで楽しんでいたこと、大切にしていたものさえめちゃくちゃにしてしまいたくなってしまったり、もう二度と楽しいと感じることはできないだろうと思ってしまうこともあります。
それでも、その人の中のわくわくする気もちや、何かを好きになる気もちが消えてなくなるわけではありません。ちょっとしたきっかけで再び希望に出会えることがあるのです。
この絵本を読んで、これから生きていく中で、どんなに辛いことがあっても、きっと立ち直ることができる、大丈夫だと希望を感じることができました。
(やえちみさん 30代・ママ 男の子4歳、女の子-1歳)
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