春は、小鳥たちの結婚の季節。 つぐみは、つぐみの歌。 こまどりは、こまどりの歌を歌って、仲間から結婚相手を見つけます。 ところが小さい鳥だけは、自分の歌を忘れて……。 くちばしを開いて出てきた歌が、「ワン」!? 犬は喜び「ワン ワン」と尻尾をふるけれど、あれれ、それでいいんだっけ?
「まちがえたみたい」と小鳥。 「もういちど やってごらんよ」と犬。 くちばしを開くと今度は……「ブーブー」。 またまた、ヘンな声!? ぶた、うし、ねこ……。 次は何の鳴き声か、ページをめくるのが楽しみになっちゃう!
おっちょこちょいな小鳥の、照れた顔や困った顔がかわいい。 親切な動物たち、素朴でユーモラスなやりとりに、思わずにっこり笑顔になります。
ヘンドリック・ヨナスは1966年生まれ、ベルリン在住の作家。 日本で翻訳出版された初めての絵本となります。 繊細なコラージュと、筆や鉛筆のタッチがのこる、生き物のやさしい顔が印象的。 読後感もあたたかく、家や園での読み聞かせにもおすすめ。 子どもたちと繰り返し楽しめる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
春。小鳥たちの結婚の季節。歌をうたって仲間をさがします。それなのに、ちいさい小鳥は、自分の歌を忘れてしまいました。ひとりではさびしくて、ちょっと考えてから、くちばしを開いて高らかに鳴くと……その声に応えてやってきたのは、なんと犬でした! あれれ、まちがえちゃったみたい。ええと、ぼくのうた、なんだっけ? それから次つぎとちがう歌をさえずるたびに、ぶたや牛や猫がやってきて……。さまざまな動物たちに励まされながら、思いつく限りの歌をうたう小鳥のもとに、小鳥の女の子はやってくるでしょうか? おっちょこちょいな小鳥と、親切な動物たちとのやりとりが楽しい、ドイツ生まれの絵本。シンプルでユーモアあふれるテキストは、読み聞かせにぴったり! いっしょに読めばきっと、くすくす、あはは! と、じんわり笑いが広がっていくことでしょう。
恋の季節に、求愛の歌を忘れたしまった小鳥が、一生懸命自分の鳴き声を思い出そうとしています。
動物たちを呼び寄せるほど、いろんな動物の声をモノマネできるなんて素晴らしいと思いますが、次第に子どもたちと一緒に鳴き声を考えるという、参加型にもなっていて楽しいと思いました。
最後はお嫁さんになる小鳥の方から近づいてきたみたいですね。
みんなでハッピーな絵本でした。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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