お部屋の中に置いてあるダンボール。誰かの頭がちょこんと見えているね。それがサディ。彼女は何をしているのかって? それはね。
「大きな大きな船にのって、広い海を旅しているんだ」
サディは朝ごはんの前だって忙しい。部屋を船でぐるりと回り、何か大きなものを作り、今日一番のお気に入りの服を選ぶ。一日が始まると、今度は友達と遊ぶ最高な時間。彼女のお友だちは近所だけじゃなく、本の中にもたくさんいる。
海の世界に住んでみたり、オオカミに育てられた男の子になったり、お茶会に出たり、勇者になったり。サディには翼があって、空を飛んでどこにでも行けるんだね。サディにとっては一日が全然足りない! だけど本当に好きなのは……。
好きなことがあるって素晴らしい。そして、とってもうらやましい。どんな小さな空間でも、何も予定がない一日でも、おもちゃが足りなくたって、なんでも作り出すことができちゃう。想像するのが大好きだから。これは、そんなサディのお話。
みんなにも、サディみたいなところ、あるんじゃないかな。この絵本に携わっている大人だって、きっとそう。だから私たちも、ちょっと真似してみようかな。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
サディは想像するのが大好きな女の子。海の中に住む女の子になったり、オオカミに育てられた男の子になったり、不思議の国を冒険したり、おとぎ話の世界で勇者になることもある。サディは、ダンボール箱を船にしたり、クッションでお城を作るのも好きだけど、何より好きなのはお話。何もないところから何でも作れるから。サディには作りたいもの、やりたいこと、なりたいものがありすぎて、時間がたりない。これはそんなサディのお話。
夢見る少女サディを紹介しています。子どもって自由に自分の世界を駆け回りますね。将来は絵本作家でしょうか。
自分と似ているところはあまりないかも知れないけれど、いろんな個性があることを知るのも、大切なことかも知れません。
絵に引かれました。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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