「よーい、どん」でみんなが一斉に駆けだします。かけっこですね。楽しそうです。あれ、もうゴールになっちゃった?! いえいえ、物語はここからスタートですよ。
「まだまだ まだまだ」
ひとり飛び出したのは、男の子。ぼくはまだ終わらないのです。賑やかな街の中や、ビルの間や町のはずれも、畑の中だって。まだまだずっと、かけっこです。走り続ける彼を不思議そうに見る人がいれば、気が付かない人だっている。そんなのおかまいなしに、彼はまだまだ、まだまだ、走ります。やがて、牧場も森の中もその先も抜けていくと……あれ?
たとえ誰かに「これで終わり」だって言われても、ぼくはまだまだ行きたい。どこまで行くのか、ぼくにだってわからないけれど、まだまだ行ってみたいのだ! この絵本を読みながら耳を傾けてみると、どこからか聞こえてくるこんな叫び。だけど、走っている本人は飄々としたもの。子どもたちの心はいつだって自由なものです。
「まだまだ まだまだ」
見習わないといけないのは、私たちのほうかもしれませんね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「よーい、どん!」どうやらかけっこがはじまったようです。たのしいですね。みんなぶじにゴールして、とおもったら「ぼくはまだまだおわりません!」とひとりがとびだして……。 町のなかやビルのあいだ、畑の中や森のなか、かけっこはまだまだずっとつづきます。
この本を読ませて頂いて、とても感動しました。これは子どもたちが主人公ですが、何よりも子どもたちの無限のパワーを感じさせてくれるからです。私は子どもたちはまさに神の子、仏の子であると信じています。だから子どもたちには無限のパワーが宿っているのです。この本は素晴らしいの一言に尽きると思います。 (水口栄一さん 60代・その他の方 )
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