うちにいるとぼくは「ぼく」でいられるけれど、学校に行けばぼくは生徒。おおぜいの中の一人になる。学校はうちじゃないし、先生はお母さんじゃない。
行きはじめたばかりの学校。まだ、なんとなく馴染めない。だけど、学校からは海が見え、空がある。広い庭があって、図書室では好きな本が読める。仲が良い友だちも、嫌いな友だちもいる。学校には……。
学校に行くのが好きな子も、好きじゃない子も。楽しい日の方が多い子も、そうじゃない日の方が多い子も。学校に行けば、色々なものがあるし、様々な経験をする。もちろん、子どもたちにとって、学校が全てではないけれど。そんな中、少しずつでも「自分の見たいもの」「感じたいもの」を見つけていきながら、卒業する日を迎えられることができたなら。
谷川俊太郎さんの思う「学校」を声に出して読みながら、はたこうしろうさんの描く子どもたちの姿を見ながら、読んでいる子どもたちの気持ちがほぐれていってくれれば嬉しいですよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
学校へいきはじめたばかりの「ぼく」。学校はうちじゃない。先生はおかあさんじゃない。なじめない中で、少しずつ自分の見たいもの、感じたいものを見つけ、いろいろな日々の中で成長していく。やがて学校を離れる日がきて…
谷川俊太郎さんの学校考でしょうか。
余白のいっぱいある文章は、詩のようでもあり、それだけに、読者それぞれのどこかに共感どころがあるような気がします。
「うち」という世界から、「学校」という世界へ。
うちと違うところもあるし、似たところもある。
楽しいことも、嫌なことも。
そう、学校って、なかなか奥深い存在ですね。
そして、別れる日もあるのが、学校。
でも、最終行の文章の力強さが素晴らしいです。
はたこうしろうさんの絵は、その余白をたっぷりと浮かび上がらせ、さらには滋味深いサブストーリーも提示します。
まさに絵の力。
伸びやかな子どもたちの姿、堪能しました。 (レイラさん 50代・ママ )
|