あなたは学校が好きですか。
もしかして、嫌いですか。
こんな言い方もできます。学校が苦手ですか。
この絵本の男の子(小学生です)も、「がっこうにいきたくないひもある」し、運動会の時などは「がっこうがたのしいひがある」と思います。
「なかがいいともだち」もいるし、「きらいなともだち」もいます。
けんかもしたり、なかよくなったり。
そんなことを思えば、学校は好きか嫌いか、得意か苦手ではなく、まるでこれから出ていく社会という世界の縮図みたいなんだと思えてきます。
詩人の谷川俊太郎さんの文に、絵本作家のはたこうしろうさんが絵を描いています。
主人公の男の子がサメ好きの設定は(谷川さんの文には出てきません)、はたさんがこしらえたものでしょうか。
いくつものページにサメが描かれています。
「きらいなともだち」と仲良くなるのも、その子もサメが好きだとわかったから。
文章にはないけれど、絵が多くのことを物語っています。
だから、この絵本は谷川さんの文だけでなく、はたさんの絵も物語として読めます。
おしまいは卒業の場面。
学校から外に駆け出していく男の子の姿に、エールを送りたくなりました。
がんばれ、おとな一歩手前の君!