ここには、生と死がある――。 4年に一度、大群で遡上するベニザケを、カナダ・アダムス川で25年間追った写真集。 200万匹とも言われるビッグランのようす、産卵し命尽きる瞬間を大迫力の写真で捉えています。 川の中で起こっている、奇跡的な命の循環。 淡水から海水へと生活域を変える、自分の生まれた川を探り当てる、産卵は一生に一度、生死を共にする集団行動等の複雑な生態を支えている自然環境が、どれだけ繊細なものかもよくわかります。 孵化を追いつづける撮影の過酷さ等、背景も知ると、ますますおもしろくなります。 地球温暖化によって今後より一層の過酷さが予想される、ベニザケの生態。SDGsを今こそいっしょに考えましょう。 (小学中級以上向け。魚の誕生は小学5年生で習います)
●著者紹介 岡野昭一 日本写真芸術専門学校二部報道・芸術科卒業。フォトジャーナリスト樋口健二氏に師事。 カナダの自然をテーマに、紅鮭、オーロラ、カナディアン・ロッキーなどを撮影。
●主な内容 ベニザケの生態 撮影について ベニザケと地球環境
川で1年から2年、海で1年から2年、約4年の生涯を壮大な産卵で命を終えるベニザケの、産卵シーンの写真に圧倒されました。
生と死があって、命をかけて生まれた稚魚が、川に戻ってくるまでに生存できる確率が0.05%という、恐ろしく厳しい低さと、その選ばれた成魚がおびただしい大群になって、産卵を行うシーンに崇高さを感じました。
そのベニザケも地球温暖化によって、次第に数を減らしているのだそうです。
食する自分たちにも無縁でないことを、絵本は訴えています。
この撮影を行うことの条件の厳しさについても、この写真絵本では解説されています。
写真に圧倒されながらも、様々な事を発信しているこの本から、受け取ることは少なくありません。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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