空は無限のキャンバス 一瞬たりとも同じ絵をかくことのない空を見あげながら、心と重なりあった瞬間をきりとった、空との交信日記。 雲に のんきに つつまれて どんどん まぎれる はぐれる さすらう だんだん かさなる いっぱいの 雲
私たちは 空の底に棲んでいて 泣いたり笑ったり 考えたりかぜをひいたりしている
空のあちこちにも 風は吹いていて 雲が毎日空の地図を かきかえている
雲の世界は 物語に充ちていて その日の心もようと重なりながら 額ぶちのない展覧会
私は目を細めては 空のやぶれめなんか さがしている――いせひでこ
空は誰が作ったのだろう
どうやってできたのだろう
何であんなに美しいんだろう
空は 青い
空は 赤い
空は 黒い
空は 紫
空は……
空に、いせひでこさんの愛犬もいる
そうハスキーのグレイくんがいる
どこにスケッチに行っていても
忘れることのなかったグレイくんは
今は空にいて、いせさんに語りかける
でも
読者には読者の愛する人が空にいるのだ
それが空を美しく見せるのだろうか…
そんなこと関係ないこどもたちも
この絵本を一頁ずつめくっていくと
しんとした表情で見ています。
分かるのではなく
感じる絵本です
手にとってみてみてください (ひだまりピッピさん 40代・せんせい 男の子2歳)
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