古い坑道で働く謎のふたりの男、 魔法の白馬、 アザラシと泳いだ少年、 農場を守る「小さい人たち」…。
妖精や魔法の力が残るイギリスの西の果ての村をめぐる、心ひかれる珠玉の短編集。
ある夜、嵐で海岸に取りのこされた女の子は、今は使われていないはずの昔の坑道で、謎のふたり組の男たちに出会い…? (「巨人のネックレス」)
妖精のおじいさんを助けたきょうだいは、お礼に魔法の白馬をあずかり、じぶんたちの農場を助けてもらい…? (「西の果ての白馬」)
お父さんから農場を受けついだ若者は、昔から農場を守りつづけてきた「小さい人たち」との秘密の約束をやぶって…? (「ネコにミルク」)
数々の賞を受賞したイギリスの児童文学作家、モーパーゴが贈ります。
順番にお話を読みすすめ、最後まで読みおえたとき、心がじんわりと心があたたかくなる一冊。
モーパーゴにしてはめずらしい短編集です。
「巨人のネックレス」のあっけない終わり方に、心に小骨が刺さったような気がしました。
「西の果ての白馬」には、絶望の淵から生まれた奇跡が、幻影のように残りました。
「アザラシと泳いだ少年」は、どこへ行ってしまったのでしょう。
続く短編も含めて、モーパーゴ・ワールドに放りこまれたまま、余韻がありすぎる物語たちに、少し不満です。
それぞれのお話には、長編として成熟できる要因が溢れているのです。
何故か、短編で終わらせてしまったモーパーゴに愚痴を言いたい作品です。
それぞれのお話を繋げて創り上げようとした意味には、それほどの重みを感じませんでした。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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