流氷群、猛吹雪、不足する食糧。アイヌ人隊員の懇願もむなしく、犬を南極に置き去りにして出航を命じた隊長白瀬。明治時代の日本人を描いた壮絶なノンフィクション絵本。
100年ほど前の明治43年夏。当時日本の領土だったカラフトの小さな村に、カラフト犬がほしいとの依頼が届いた。南極探検のためのそり犬を求めてのことだった。応えて二人のアイヌ人が、犬をつれて白瀬南極探検隊に参加した。 世界探検史上に名をとどめるアムンセンとスコット。同時期に南極を探検した日本人白瀬。そして白瀬をささえて犬ぞりを走らせたアイヌ人隊員。 長い船旅の途中でのあいつぐ犬の死。流氷群に取り囲まれてのやむなき撤退。再挑戦と、上陸してからの猛吹雪との遭遇。不足する食糧。せまりくる遭難の危機。犬と人とが体力を使い果たした最終地点「やまとゆきはら」。探検への熱い意志と冷徹な判断。撤退の時、白瀬はアイヌ人隊員の懇願もむなしく、20頭の犬を南極に置き去りにして出航を命じた。 生身の人間の探検も冒険も、現実感を失いつつある今、読んでいただきたい、ひいおじいさんの時代の日本人を描いた壮絶なノンフィクション絵本。
高学年用の読み聞かせ本を探しているうちに出会いました。
正確に測ったわけではないので、20分ぐらいでしょうか。
長いので、担任の先生が読んで下さってもいいなあと思います。
あとがきと解説にありましたが、探検隊の条件は、梅干しの種でも噛み砕くことができること、独身であることだったそうです。
極限状態の中、命をかけていくだけの強い志の持ち主でなければ、到底達成できない過酷さだったと思います。
また、白瀬が探検から帰った後も、借金を返し続けたことなども心に残ったことでした。
実話の重みを感じるお話でした。
小学生の頃だったか、アムンゼンとスコットのことが教科書にあった記憶があるので、
そらちの実話と関連づけて読んでもまた深まりそうだと思います。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
|