すずは、山に住むおじいちゃんのところへ遊びにきました。山は秋まっさかりです。まっ赤にもえるようなモミジ、足元にコロンコロンと転がるドングリ。なんてきれいなのでしょう。 やがて夜になりました。山の夜はまっ暗です。目をあけても何も見えません。「ピュウーン ビュウーン」大きな音が聞こえます。こわがるすずに、おじいちゃんは「こわくないよ。風がプレゼントの用意をはじめた合図だよ」というばかりです。「シャラッ シャラララッ シャラッ」ふしぎな音も聞こえてきました。いったいなんの音? なにかこわいものが部屋に入ってきて、食べられちゃうかもしれない。どうしよう。どうしよう……。
秋にぴったりの1冊です。ページをめくりながら、絵本のすずちゃんと同じように、モミジの鮮やかさに驚き、降り積む落ち葉の美しさに目をみはり、大すきな人の手のぬくもりを感じていることに気がつくでしょう。シンプルな切り絵で表現された「秋」の世界がもたらす、豊潤な余韻をお楽しみください。
山の中の一軒家にすんでいる、すずのおじいちゃん。すずは山に遊びにいきました。カラマツの黄葉の、朝のきんいろの風景は、ほんとうにまぶしいくらいですね。きんいろの雨を、からだいっぱいで感じているすずの気持ちが、つたわってきます。アート感のある切り絵が、お話にあっているなと思いました。町中に住んでいるとなかなか、見ることができない黄葉を実際に見てみたくなりました (どくだみ茶さん 40代・ママ 女の子19歳)
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