イクハルは、勉強ができないわけでも、いじめられているわけでもないけれど、時々学校に行きたくなくなる。この日も学校をやすんであてどなく歩いてたどり着いた「アルデナイデ沼」。そこで被災地から祖母のところに身を寄せる女の子シュリにであい……。
イクハルが学校に行きたくなくなる理由は? シュリが不登校になった理由は? シュリが抱える悲しみとは? イジメの加害者ヤラガセが抱える闇とは?
学校では学べない事、学校では出会えない人たち。 学校がすべてではない、学校の外に世界は広がっている。 一人ひとりの子どもたちが未来―あした―を生きる力を取り戻していく姿を描く。
著者のおひとり、梅田佳子先生は2020年12月に永眠されました。1997年に刊行した、夫である梅田俊作先生との共作『しらんぷり』は累計20万部のロングセラー。それ以来、全国各地で講演やワークショップを精力的に行い、「いじめ」に悩む親子との対話を続けてこられました。本作はそうした「いじめ」に端を発した子どもたちの葛藤と勇気を描き続けた著者夫婦の最後の共作となります。
梅田俊作さんと梅田佳子さんの共作は、どれも社会問題を見つめ、様々な課題をかきまぜた混沌の世界を感じます。
2020年冬に永眠された梅田佳子さんの遺作となると見れば、時事はその時点で留まるのでしょうか。
不登校、いじめ、家庭内暴力、大災害の被災、秘密基地に集う人たちは様々な理由を持っているようです。
この本は解決に向けた本ではなく、そんな人たちを包みこんだ社会を描いています。
いろんなことがあって、つらい気持ちがあっても、まわり道してもいいんだよと、迎えてくれているようです。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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