赤ちゃんと一緒に生まれたのは、新しい人類「おかあさん」。新生児の成長についての観察や研究は数あれど、新生おかあさんについてはいまだ未知の領域。その生態や成長の様子を赤ちゃんの視点でのぞいてみましょうか。
生後100日までのおかあさんの顔は、かなりむくんでいるみたい。しばらくは目もまともにあけていられないよう。大丈夫でしょうか。手は筋張っていき、腕の筋肉はどんどん太くなり、立ち上がるたびにボキボキッと音がします。
わたしの食べる量によって気分が左右されるおかあさん。食べない日は地獄にいるかのよう。わたしは、いつだって必要なぶんだけ食べているのですから、あまり考えすぎないでくださいね。
おかあさんの反応速度はどんな動物よりも速く、好奇心もどんどん発達し、かくれんぼも上手。でも、おかあさんのおかあさんに会ったときは……。
「観察図鑑」というタイトルのもと、絵本の中で研究対象とされているのは、生まれたての「おかあさん」。髪はぼさぼさ、目はうつろ、大きなからだにしゃれっけのない服装。いつも笑顔でいるわけではないし、泣きそうになっている時だってある。驚くほどリアルでコミカルに描かれているその姿に思わず苦笑い。ああ、こんな風に見えているのかな。でも、そのまなざしはとてもあたたかく、愛情と尊敬にあふれています。だって、赤ちゃんと真剣に向き合い、孤軍奮闘する母親の姿の愛おしいこと。赤ちゃんにだって、ちゃんと伝わっています。
第62回「韓国出版文化賞」受賞の話題作。ユニークなこの一冊は、多くのおかあさんたちの心をほぐしてくれそうです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
第62回「韓国出版文化賞」受賞の話題作! 赤ちゃんから見た母のリアルで愛おしい姿
顔つき、体の構造と機能、食、睡眠……赤ちゃんが観察した母親の生態とは? ユーモアあふれる視点で図鑑ふうにまとめられた日常の一コマは、子育て経験者なら思わず共感するシーンが満載! そこに描かれているのは母の「リアル」な姿。いつも笑顔ではいられない、聖母なんかじゃない、でもその姿は限りなく愛おしい。それはきっと「おかあさんのがんばり、わたしはいつも見ているよ」という赤ちゃんからのメッセージ。
☆ヨンアさんも絶賛! ぼさぼさの髪、疲れ切った顔、しゃれっけのない格好── 美化されていない母の姿が心に刺さりました。 「完璧でなくていいんだよ」と教えてくれた特別な一冊。
☆編集部より 子育てまっただ中の人には寄り添いとエールを、一段落した人には思い出とねぎらいを。 そして、すべての人に自分の母が経験してきた濃密な時間を知るきっかけを。親子をつなぐ一冊。
☆著者あとがきより おかあさんは、赤ちゃんといっしょに生まれたあたらしい人類です。 新生児の成長についての本は積みあがっていますが、新生おかあさんについての研究はいまだに未知の領域として残っています。 なぜ、だれも生まれたばかりのおかあさんについては知りたいと思わないのでしょうか。 すべてのことがはじめての世界で、さびしく孤軍奮闘している生まれたてのおかあさんたちを思いながら、この本をつくりました。
☆構成 顔つき/体の構造と機能/体の変化/食/睡眠/トイレ/活動/反応速度/気分/好奇心の発達/ダンボール箱/かくれんぼ/研究/かばん/おかあさんのおかあさん おかあさんクイズ おかあさん観察日誌
産まれたばかりの赤ちゃんにとって、お母さんは突然現れた存在であり、母親になったために必死であり、頼りになる存在なのでしょう。
多少誇張はあるものの、赤ん坊から見たお母さんの観察記録は、視点が面白くて頷くことばかりです。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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