「これはね、私が子どもだったころ、私のおばあさんからきいた、ふるいふるいお話だよ」 毎日の仕事があんまりつらいもので、つい奥さんと仕事をとりかえたお百姓さんのお話。奥さんの仕事の方が楽そうに見えていたのに、やってみたらそれはもう大変。やることなすこと失敗だらけ。いったいどういうことになるのやら…。
ひとは、「自分が誰よりもたいへん」って思いがち。
だから仕事のとりかえっこを提案したフリッツルの気持ちはよくわかる。
だけど、のらりくらりなんて言われてもその提案をあっさり呑んじゃうリアンがなんたってすごい。
後の展開はもう、さもありなん…と思うのに
ビールが溢れれば、思わず「ひゃ〜」
クリームがこぼれれば「あちゃ〜」
クライマックスは
リアンが牛を助けようとロープをジャキッ。
つながってたフリッツルが鍋の中へ 「あらら〜」
ロープでつないだ時にはフリッツル、ナイスアイディアって思っただろうにね。
そうして、もとの仕事に戻らせてと頼むフリッツルに
返したリアンの
「これからも もっとなかよく くらしていけそうだね」
には感服!
重なる失敗もものともせず
「おきちまったことだ くよくよしても しかたがねぇ」と
全くひきずらないフリッツルの潔さにも感服!
「おめぇのしごとは ちっともらくじゃねぇ」
とあっさり認めちゃうのもまた潔し。
いい夫婦だよね。
(白井音子さん 60代・その他の方 )
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