
ペニーはおとうさんと地下鉄に乗って出かけます。電車は満員。ペニーはおとうさんとしっかり手をつなぎます。……あれ? 人と人のすきまから見えるのは、しましまのしっぽ!? 吊革につかまっているのは、どう見たって、トラのまえあし!
「おとうさん、 トラが いるよ」
おとうさんは首をふります。見まちがいだって言うんです。でも、確かにあれは人間のふりをしたトラなのです。すると次の駅に着いた時、小さな男の子がうさぎのぬいぐるみを落としてしまいます。それに気がついたトラは、うさぎにとびかかり……。
しま模様の大きなトラが帽子をかぶり、トレンチコートを着て、新聞を読みながら電車にすわり、横目でペニーと目を合わせる。人がたくさんいるはずの電車の中で、この心躍る状況に気づいているのは、ペニーと小さな男の子と私たち読者だけ。なんてワクワクするのでしょう。その上、ペニーとトラは少しずつ心を通わせていくのです。
もう私たちには出会う事ができないのかもしれない、子どもだけに見える破天荒で優しい世界。まるで映画を観ているような、ダイナミックで軽快な楽しい絵と言葉で味わうことができます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

ペニーは、おとうさんと地下鉄にのってでかけます。すると満員電車のなかに、しましまのトラのしっぽがみえるではありませんか! おや、トラのまえあしも! おとうさんは見まちがいだというのですが。電車が駅に着いたとき、小さな男の子がぬいぐるみを落としてしまいます、するとトラがそのぬいぐるみをひろって……。心を通わせるペニーとトラ。子どもにだけ見える世界をやさしく楽しく描きます。

地下鉄の騒音からトラの吠えるところを連想したのが、この絵本の出発点でしょうか。
トンネルから聞こえるトラが、電車の中にいたら大変ですね。
でも、優しくて親切なトラだったようです。
何事にも関心が行く子どもと、周りに無関心な大人の視点の違いも、面白く描かれていました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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