母を亡くした少女が、1人で塔の上に住んでいました。そこに、母さんが昔読んでくれた『ふしぎの国のアリス』のうさぎや、一緒に餌をやったかめ等、なつかしい動物が現れて、少女を母の元へと導いてくれるのでした。
幼い頃に両親を失った作者が、母親を忍びながら作った絵本です。
自分の子どもたちを思いながら、子どもたちに自分の母親の事を伝えたいという気持ちに満ちあふれた作品になっています。
それと同時に、両親を失って自分自身が閉ざされた世界に閉じ籠ってしまった作者が 、いかにしてそれを乗り越えてきたかを伝えようとしている事がよくわかります。
母親に読んでもらった本、母親の優しさ、誰にも好かれる人柄が、天国と空の青いイメージの中で再現されていました。
作品の前後に付された作者の子供時代の写真が、強く生きていくという作者の意思表示と感じました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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