平和を望みながらも、富をもとめて戦争への道を歩んでしまう人間の姿が、ユーモアとペーソスをこめて描かれています。大人も見て欲しい絵本。
【安藤パパ】 ただ幸せに暮らしたいと願っていた貧しい6人の男たち。 彼らは努力し、やっと肥えた土地や立派な家を手にする。 しかし手にした途端、今度はそれを殖やす欲望に走り、兵隊を雇い近隣の村に侵攻。そして・・・。 領地、富、権力を追い求め、戦争を繰り返す愚かな人間(男たち)の姿を戯画タッチのペン画で描いた寓話絵本。シンプルだけど、不思議な迫力があり、子どもはもちろん大人もいろいろ考えさせられる一冊。
六人の男がいた。素朴な男たちだったが、戦争の引き金を作ってしまった。
なぜ戦争が起こったのか、こんなに単純化してしまうと「いやそうではない」と言われるかもしれない。
人間は考える動物であり、記憶する動物だから、人間ならではの複雑さがある。
戦争の要素は民族であったり、宗教であったり、いろいろだろうけれど…。
この絵本は社会進化の過程と、戦争の起こる構造を見事に視覚化していて、本質を語っている。富を求めること、財を守ろうとすること、そして疑心暗鬼。
戦争は極めて人間的な行為である。
マッキーは単純な線で描き、カリカチュアともいえるような表現をしている。
子どもにとっては教科書かもしれないが、大人にとっては社会を考える研究書にも思えた。
戦争が起こったのは、六人の男たちが純粋だったからである。
(ヒラP21さん 50代・パパ 男の子13歳)
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