「ジリリリーン リリリリーン」
地中で暮らすせみくんの家の電話が鳴り、せみくんは答えます。
「ええ そうです、いよいよ こんやです」
いったい何が起こるのでしょう。その一報はあっという間に地上の仲間たちに広がっていき、準備が始まります。ミツバチくんたちは甘い蜜を集め、アオムシちゃんたちはサラダを作り、カブトムシは準備運動をし、スズムシさんたちは演奏の練習をします。
その頃セミくんは、ひとり起き上がり、慣れ親しんだ部屋に別れを告げ、はしごを登り、地面へ顔を出し。さらに大きな木の幹を伝って……。
セミくんにとっての「いよいよ」は、もちろん「その瞬間」です。知らなかった子は驚き、知っている子が見ても息を飲んでしまうその出来事。なんて神秘的なのでしょう。そして、セミくんの嬉しそうなこと! さあ、みんなでお祝いです。
地中でのセミくんの暮らし、やがて旅立つ時のその心境、まわりの仲間たちの受け止め方。工藤ノリコさんが描く魅力的な絵を見ているだけで、想像はどこまでも広がっていきます。壮大なのに、どこまでも愛らしく、コケティッシュ。生きるって素晴らしいな。ミーンミーンと元気に鳴くセミくんを見ながら、改めて思うのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
地中で暮らすセミくんの元に一本の電話が…「いよいよ今夜」って何が起こるのかな?
私は子供の頃、虫がこわくて大嫌いでした。
いまでも好きではありませんが。
長男を育てていた時に
それではいけないと思い、
虫の観察をしたり。。
セミの一生を大人になって知りました。
そして、セミを触るのは怖いのですが
夏のにぎやかなセミの声も
頑張れ!って思ったりしていました。
そのセミのお話を
こんな可愛い絵本で表現された絵本があるなんて
感動しました。
いまではなつかしい黒電話がかかってくるところも
ユーモアが感じられます。
セミの羽化!
私はまだ見たことがありません。
チャンスがあればずっと見たいと思ってきました。
生物の命、
最後ページのセミくんの
いきてるってうれしいな。という言葉に
私も嬉しくなりました。 (koyokaさん 50代・じいじ・ばあば )
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