みとれてばかりいて仕事をしないあにさんに、美しいあねさまは、自分の姿を絵にかいて持たせてやることにした。
私が子供の頃から愛してやまない民話である。
面白おかしい話でありながらも、その奥には、純粋に愛し合い、相手を思い続ける夫婦の愛に感動すらしてしまうのだ。だから、読後が、実に気持ちがよい。
この絵姿女房の話は、とても有名であるためか、あにさんの職業が絵本によっていろいろあり、門松売りであったり、桃売りであったり、他にも色々あるらしい。しかし、私は、幼い頃に繰り返し聞いた、この絵本の栗売りが、一番大好きなのだ。あにさんが、栗を売って歩く売り声が、一番様になって声に出して読みやすいからだ。
前半は、あにさんの、あねさまを思う一途で純粋な心に胸が打たれるし、後半は、美しいがために、殿様の城に連れて来られてしまったあねさまも、実はとてもあにさんを深く愛していたことがわかって感動してしまう。そして、その機転のよさで、見事殿様とあにさんを入れ替えてしまい、してやったりというしたたかさにも頭が下がります。
本当に羨ましいくらい愛し合っている夫婦の姿に、読み終わってこちらも ほっ と笑ってしまうのである。
これからも、もっともっと子供達に読みついでもらいたい民話だ。 (はなしんさん 30代・ママ 女の子6歳、男の子4歳)
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