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しっかり者のスズの兵隊は,かれんなバレエの踊り子に淡い恋ごころを抱きますが,運命のいたずらが待ちうけていました….アンデルセンの不朽の名作が,美しく詩情豊かによみがえります.
クリスマスのプレゼントにもらった、スズの兵隊。
一人だけ片足がない兵隊。その境遇にはいろいろな思いが込められているのだろう。
その兵隊が、紙でできたバレリーナ人形に恋をします。
何も言わず、ただ見つめるだけの恋。
いろいろな冒険をして、また元の場所に戻る幸運もあったけれど、今度は暖炉の中に投げ入れられてしまいます。
人間の身勝手と、スズの兵隊のプライドが強調されるシーン。
風に吹かれて暖炉に飛び込んだ紙のバレリーナも一緒に燃えていきます。
溶けてハート形の固まりになった兵隊。飾りを残して燃え尽きた人形。
これは幸せなことなのだろうか。
アンデルセンが持ち込んだ仕掛けによって、奥深さ、様々な思いを与えてくれる絵本でした。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子13歳)
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