あいちゃんは大きくなって、お気に入りのワンピースが着られなくなってしまいました。 でも、お母さんが、このワンピースを使って、うさぎのミミちゃんに洋服を作ってくれることになったのです。あいちゃんもミミちゃんの洋服作りをお手伝い。ママのお裁縫箱は、素敵なものがいっぱいつまった魔法の箱のよう。お母さんの愛情と、女の子の憧れがつまった作品です。
・作/こみやゆうさんからのメッセージ
わたしは以前、出版社で編集者をしていました。そしてその当時、宮野さんは都内の児童書専門店で働いていて、私はそのお店によく足を運んでいました。宮野さんは、その画才もさることながら、いつも子どもと子どもの本にふれていましたので、絵本を作るのにもってこいの人だと思いました。そして宮野さんのデビュー作『ももちゃんとおかあさん』ができあがり、それ以来のお付き合いをさせてもらっています。 わたしたちの作品には、いつも「理想の大人(母親)像」が登場します。なにかと忙しい現代のお母さんやお父さんは、この本のママのようには、なかなか振る舞えませんよね。子育て真っ最中のわたしだってそうです。でも、せめて本の中だけでも、理想の大人像を見せてやれたら、その印象は、ずっとその子の中で生き続けると信じています。
・絵/宮野聡子さんからのメッセージ
幼いころ、わたしは母のお裁縫箱が大好きでした。色とりどりの糸やボタン、ぴかぴかのまち針、美しいレースの数々……。眺めているだけで、とにかく幸せな気持ちになったのを覚えています。だからなのでしょうか……? 『あいちゃんのワンピース』の出版が決まったとき、わたしは一目散にボタンやレースを買いに走りました! 資料用という名目で、大量に(笑)。そして下絵を経て、いざ着彩へと入ったとき。色を重ねるごとに、お裁縫を開けたときの、あの幸福感がよみがえってきたんですよね。ぴかぴかしたものや、かわいらしい小物を眺めるときの幸せな気持ちって、子どもも大人も関係ないんだなってつくづく思って。描きながらワクワクしました。とにかく、女の子の好きなものをいっぱい集めた作品です。隅々までじっくりと眺めていただけたら嬉しいです。
この夏ワンピースばかりを着て過ごした次女に読んであげました。
あいちゃんは背が大きくなってワンピースが小さくなりました。
次女は小さくなったワンピースを
マンションの小さなお友達にお譲ったりしています。
でもあいちゃんのママは裁縫箱を出して
うさぎのミミちゃんのワンピースに作りなおしてくれました。
裁縫箱!あいちゃんから見るときっと魔法の宝箱。
引き出しを開けるとぱーっと明るい色の糸やボタンが現われます。
レースをあしらった素敵なミミちゃんのワンピースが完成すると
あいちゃんも表情もキラキラと輝きました。
次女もきっと小さくなったワンピースを
ぽぽちゃんに着せたいって言い出すんでしょうね。
型紙もないのにあいちゃんママのようにできるかしら。
ちょっと不安ですが、言ってきたらがんばります。 (事務員さん 30代・ママ 女の子6歳、女の子4歳)
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