「あーっ、たいへんだ!」 からすの郵便屋さんが配達をしていると、大切なお手紙が風に飛ばされてしまいました。 困っている郵便屋さんを見て、きつねくんたちは一緒にお手紙を見つけてあげると、誰のお手紙なのか気になります。そこで、からすの郵便屋さんと一緒に届けにいくことにしましたが……。 相手を思う温かい心がお手紙を通して伝わってくる、素敵な絵本です。
<ここがポイント> ・思いやりの心が伝わります ・お手紙をもらうことの喜び ・季節感たっぷりの絵本です
<おうちのかたへ> 忘れていた気持ちを届けてくれた ゆうびんやさん 教育評論家・尾木直樹
心地よい秋風に乗ってお手紙を配達中の、からすのゆうびんやさん。突然吹いてきた強い風に、3通のお手紙が飛ばされてしまいました! ゆうびんやさんは、手紙の紛れ込んだ落ち葉の山を前に、困ってしまっています。 そこに通りがかった、きつねくん、うさぎちゃん、りすくん。早速「さがしてあげるよ!」と協力してあげます。まず見つかったのは――秋色に紅葉した、いちょうともみじ、栗の葉っぱ。 違う、違う! 改めて探し始めた3人。今度こそ、秋色の封筒に入ったお手紙が見つかりました。 何か、おもしろそうだぞ、とゆうびんやさんについて行った3人ですが、普段、なかなか見ることのできない場面に遭遇します。そう、お手紙が届けられる瞬間に立ち会えたのです。 手紙を受け取り、開いた時の、もぐらさん、くまのおじいさん、ねずみのお母さんのうれしそうな表情といったらありません! お手紙には、大切な人から人への愛情とメッセージが詰まっていたのですね。 手紙は、届けてもらって手にした時と、読んだ時、うれしい気持ちは増幅していく――。そんな手紙のパワーを3人目の当たりにしたのです。自分たちも、大好きなおじいちゃん、おばあちゃん、お父さんとお母さんに、あなたが大好きだよ、大切だよという気持ちを、今すぐにでも手紙で伝えたくなりました。 3人は、からすのゆうびんやさんを助けてあげたけれど、その優しい気持ちの代わりに、さわやかな秋の訪れと、忘れていた大切な人への気持ちに気づかせてもらったみたいですね。よかったね。
<編集者から> からすの郵便屋さんが風に飛ばされたお手紙は、赤と黄色と茶色の、まさに落ち葉色。落ち葉の中に落ちたお手紙はなかなか見つかりません……。 子どもたちが無邪気に「みーつけた!」といって取り上げたものは……? そのシーン、とっても可愛いので、ぜひお楽しみに。 お手紙を書くときって、相手のことを想って書きますよね。 そのあたたかい心がお手紙を通じて伝わってくる、とっても素敵な作品です!
手紙って、書くのも手間だし、届くのにも時間がかかる。
でも、会話や電子メールにはない温かさがつまってます。
このお話に出てきた3通の手紙。
手紙の趣旨はそれぞれ違うけど、みんな嬉しそう。
特に ねずみのおかあさんに届いた手紙は、たまらないですね。
同じ家に居ながら、郵便で手紙が届く。なんて素敵なんだろう!って感動しました。
この間、園からの依頼で、娘に手紙を書きました。
手紙を読んでもらった娘は、号泣だったそうです。
そして、「うれしかった」という返事の手紙をもらいました。
想像以上に、こちらの気持ちが伝わっていることに驚きました。
この本を読むと、あの時の幸せな気持ちが蘇ってきます。
手紙だから言えること、手紙だから深く伝わる気持ち。
手紙って素敵なコミュニケーションだな〜と、改めて感じました。 (しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子6歳)
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