子どもから大人まで楽しめる寓話絵本 イギリスでも有名は、小説家ジャネット・ウィンターソンの初めての絵本。日本でも人気の絵本作家ジェーン・レイが絵を手がけるゴールデンコンビの絵本です。 カプリの島に、食べることが大好きな王様がいました。毎日毎日ごちそうを食べ放題、気ままに暮らしていました。王さまは、「口が二つあったら、もっとおいしいものをもっといっぱい食べられるのに……」なんていっていました。ところがある日、大嵐がやってきて、王様の洋服、食べもの、牛、自転車…、すべてのものが風に吹きとばされて、向かいの町ナポリの貧しい洗濯屋のおばさんの家に、ドッスーンと落ちてきたのです。こまった王様は、洗濯おばさんに会いにでかけていきました。そして貧しいけれども豊かに暮らす人たちを知った王様は、洗濯おばさんと結婚して、幸せに暮らしました…。子どもから大人まで楽しめる寓話絵本です。
『The King of Capri』が原題。
訳者が、風変わりでチャーミングな物語と評するウィンターソン(英国)の初絵本作品。
イタリアのカプリ島が舞台の、イタリア気分の寓話、という印象です。
食いしん坊のカプリの王さまが主人公です。
もちろん、美食三昧、貧民のことなど考えません。
対岸のナポリには貧民の洗濯おばさん、ジュエルさんが暮らしていて、
その生活ぶりが対照的です。
ある日、風のいたずらで、王さまの物が吹き飛ばされて、ジュエルさんのもとへ。
そこからの展開も大らかですごいです。
風変わりでチャーミング、との評に納得。
さらには、コラージュを駆使したであろう絵もキュート。
おやおや、日本のものらしいコラージュも見受けられますね。
イタリア語も差し込まれ、イタリア気分を盛り上げます。
ただ、かなり入り組んだストーリーなので、小学校高学年から、
どちらかというと大人向けかもしれませんね。 (レイラさん 50代・ママ )
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