お母さんの裁縫箱には色とりどりのぼたんがいっぱい入っています。 ある日、そこにみいちゃんのブラウスから取れちゃった赤いぼたんちゃんが仲間入り。 迎えてくれた他のぼたん達は、自分がどこから来たのかそれぞれの思い出を語ってくれます。 「ぼくはおとうさんのあったかいコートにいたんだよ」 「わたしはおかあさんのワンピースでいつもキラキラしていたの」 「あたしゃエプロンさ」 みんな、それぞれ自分の物語があるんだね。 色々な場所からやってきた、個性的なぼたん達は引き出しの中でみんな仲良し。 そうして楽しい毎日を送っていると、裁縫箱の引き出しが開いて、 「このセーターにあうぼたんはないかしら」 とお母さんの声。ぼたんちゃんとみんなはドキドキしていますが・・・。
小さな裁縫箱の引き出しの中に集められた、小さなぼたん達のおはなし。 なんてことのない小さな出来事だけど、嬉しそうに自分の事を語るぼたん達の表情や言葉を聞きながら、何だかあたたかい気持ちに包まれます。 読み終わったあとは、赤いぼたんちゃんとおんなじ気持ち。 引き出しのみんなのこと、忘れないよ。
かさいまりさんの作品は、本当に可愛らしい絵とさり気なくも心に残るお話で、 小さな子どもたちに色々なことを感じさせてくれるので、どんな子にも読んでもらいたくなりますね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
<裁縫箱の中のボタンのお話> みいちゃんのブラウスからとれたぼたんちゃんは、お母さんの裁縫箱の引き出しに入れられました。 そこには、いろいろなボタンがいっぱい。お父さんのコートで活躍したボタンや、お母さんのワンピースを飾ったボタン、ぎゅうぎゅう詰めのバッグで頑張ったボタン、みんなそれぞれに思い出を話しだしました。 こうして、みんなと仲良くなったぼたんちゃんでしたが、ある日、裁縫箱の引き出しが開いて…。 擬人化されたボタンたちの物語を通して、だれにもあるそれぞれかえがたい個性や役割があることをそっと感じさせてくれる絵本です。
みいちゃんのブラウスから落ちた赤いぼたんが、裁縫箱の引き出
しに入れられました。そこには、他にも沢山のはみだしっこのぼた
んがいました。夫々のぼたんたちが、自分の今までの物語を、楽
しく笑顔で話すのがいいなあと思いました。赤いぼたんは、またみ
いちゃんのブラウスに帰っていくのですが、優しい思いやりの言
葉をかけてくれたり、赤いぼたんもみんなのことを忘れないで優し
いので、いいなあと思いました。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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