ある日、うさぎのナナちゃんの家の隣に誰かが引っ越してきたようです。 垣根の向こう側にタンスやテーブルなど、引っ越しの荷物がちらっと見えるからです。 すると、垣根の下の方のトンネルみたいな隙間からボールが転がり出てきて…。 ナナちゃんがそっと転がし返すと、笑い声が聞こえて、またころころころ。 思わずのぞいたトンネルの向こうでにっこり笑っていたのが、ロコちゃんなのでした。
あっという間に仲良くなったナナちゃんとロコちゃん。 運動が得意なロコちゃんに対して、ナナちゃんは何かをつくったり絵を描いたりするのが上手。 二人は毎日遊びます。走り回ったり、花飾りをつくったり。 でも、ある日ひょんなことから二人はケンカをしてしまいます。初めての大きなケンカ。どうやって仲直りしたらいいのかわからないナナちゃん。でもそんな時思い出したのは、初めて出会ったときのことだったのです。 二人の仲をすぐに元に戻してくれたのが、あの時に感じた共通の気持ち。 こんな関係ってうらやましいですよね。
小さい頃に一緒に遊んだ友達って、ちょっと特別かもしれません。 楽しいことがいっぱいの毎日。でも笑ってばかりじゃなくて、きっとケンカして泣いたり、怒ったり。ケガだってしたこともあるかもしれません。そんなに蜜な関係になれることって、大人になってもそんなに多くあるわけじゃないですしね。これからたくさんの出会いが待っているであろう子どもたちに、この絵本を読んで嬉しい気持ちを一緒に味わってもらえたらいいですね。 そんな私自身も、幼なじみのあの子を思い出してほんのり幸せな気持ちになってしまいました。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
〈仲直りのきっかけは、相手を思いやる気持ち〉 うさぎのナナちゃんの家のお隣に、新しい家族が引っ越してきて、家具を次々に運び入れています。そのとき、垣根のトンネルのようなすきまから、ボールがころころと転がってきました。ナナちゃんはボールをトンネルの中へ返してあげました。すると、笑い声がして、ボールが戻ってきました。ナナちゃんがトンネルをのぞくと、引っ越してきたうさぎの女の子、ロコちゃんの笑顔がありました。こうして仲良くなった二人ですが、ある日、けんかしてしまいます。どうやって仲直りしたらいいかわからないナナちゃんが、初めて出会ったときのことを思い出し、ボールをトンネルの中に転がすと…!! これからさまざまな出会いがあり、友達との関係を深めていく子どもたちに、ぜひ読んでほしい絵本です。
ひろかわ さえこさんの絵が好きで3歳の娘に選んで読みました。お友達になる様子、ケンカをしてしまったけど、なかなか仲直りできない様子。親としては、きゅんと切ない気持ちにもなります。娘も、お友達とこれからケンカしたり、嫌なことがあったり、どう接したらいいか分からなくなることもあるかもしれませんが、たくさんお友達との時間を過ごして欲しいなと思いました。 (ままmamaママさん 30代・ママ 女の子7歳、女の子3歳、男の子1歳)
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