
この物語は月夜のかしわばやしを舞台にしたオペレッタのように思えます。画かきの歌、柏の木の歌のコンクール、ふくろうの歌、そして風の又三郎を想い出させる「雨はざあざあ」の歌、いろいろな歌がうたいかわされるうちに、夜霧がおりてきて、このふしぎな歌合戦は終るのですが、はじめの方で「鬱金しゃっぽのカンカラカンのカアン」とどなった画かきは、さいごでは、清作のもじりをそのまま借りて「赤いしゃっぽのカンカラカンのカアン」と遠くさけんでいます。

柏の林の中で始まった、奇妙な即興歌合戦。
脈絡もないのですが、滑稽で妙にウキウキする夢の世界です。
佐藤国男さんの木版画が、木立の祭りを引き立てています。
シャッポという、時代を感じさせる言葉や、ちょっと乱暴な言葉づかいも、無骨な感じがして、楽しみました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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