真正面から「いじめ」を描いた長編絵本『しらんぷり』。 時が経った今もなお、あの地獄はけっして消えていない。 居場所をうしなった少年が、みつけた景色とは・・・・・・。 ぼくは、ふみだす。一歩先へ!
ボクは、また、「いじめ」に追いつめられていた。 昨日も今日も、きっと明日も、地獄・・・・・・。 ボクに居場所なんてあるのだろうか。
心をなくしたまま、ボクはある場所へと向かう。 そこでの日々は、ボクを大きく揺さぶった・・・・・・。
ある少年の、強く生きる力をとりもどすものがたり
絵本というには厚みのある重さのある力作です。
いじめを受けて不登校になった少年が、転校先で再び同じ状況に陥る、呪縛から開放されない辛さを、痛いほどに突いた内容に、現実感を受け止めました。
少年は漁村留学という逃げ場にしがみつきました。
そして、少年を仲間として受け止めたそこでの生活が、煌めいています。
少年は逃げてきた場所への恐怖を、薄皮をはがすように鎮めていきます。
いじめを克服することは、簡単ではないでしょう。
でも、真っ向に対峙するのではなく、逃げても良いんだということを教えられた気がします。
自分に合った場所で心を強くする。
居続ける訳にいかない場所だから、いずれ戻っていかなければなりません。
その時、荒波の上を羽ばたけることを祈ります。
親の立場で読んできたら、大人が考えなければならない課題も見えています。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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