小道のおくの小さな家。ひとりぼっちで住むブルーノーは、いっしょにくらしてくれる木の人形を3つ作りました。メイジーとラルフとウィナカーです。人形たちは、もちろんおしゃべりすることはできませんでしたけれども、出窓にすわって、まわりのできごとをじっと見つめつづけていました。なんねんも、なんねんも、なんねんも。森かげの小さな家で。
人形にも心があるのだと思います。
愛される喜び、忘れられてしまう哀しみ。
人形は人といてこそ幸せなのでしょう。
寂しさを紛らすために、一人暮らしの男が作った三体の人形たち。
男も人形たちも幸せだったと思うのですが、なぜか男は一人で去って行ってしまい、動くことのできない人形たちが森の家に取り残されました。
朽ちていく家と、身動きできない人形たち。
これほどつらいことはないでしょう。
何年も経って、新しい家族が家に住むようになりました。
埃や煤にまみれた人形たちは、色を塗り替えてもらいました。
この幸せがいつまでも続くといいですね。
とても静かな絵本です。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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