2008年に、アメリカで刊行されるや、たちまち世界各国から、出版の申し込みが殺到したと言われる作品「なみ」の次回作品で2010年刊行。
原題は、「Shadow」
日本でも2010年の初版です。
「なみ」は、横長の変則型の絵本を横に開くことで、海を目一杯表現していましたが、今回も同じサイズ。
ただし違うのは、縦に開くということ。
文字のない絵本ということは、全く同じです。
上に現実の世界、下に影の世界を対比して描いています。
女の子が、手で鳩を形作ったり、オオカミの姿を演じたりして、影を楽しんでいるのですが、影の世界が段々と不思議に変化していくのです。
影の世界の色は、黒と黄のみ。
影と光の暗示でしょうか?
次第に下の影の世界が、上の現実の世界にまで侵入してきて、ページ全体が影の世界となり、女の子も自由自在に影の世界を楽しみます。
オチも中々の出来栄えで、影という不思議な世界が堪能できることでしょう。
「なみ」に劣らず、お洒落な絵本だと思います。