まず何といっても、この黄色と黒のだけで描かれた絵がいいんでしょうねぇ。シンプルなのに強烈なインパクト!表紙も扉もまったく同じ顔をした五人兄弟の絵。(おまけに最終ページはお母さんまで同じ顔)
私は昔から主人公が複数というグループものの話が好きなのですが、このお話も五人がそれぞれ自分の得意技を出し合って難関を切り抜けていく展開が気持ちいいですね。
「私は母に別れを告げてきたいと思います」「それはもっともな願いじゃな」という同じ会話を何度も繰り返していて、お役人はおかしいと思わなかったのかしらん、などと余計なツッコミをいれたくなってしまうのもこの本の魅力です。
小学校で読み聞かせをしたところ、何度も殺されそうになる場面が出てくるせいか「怖かった〜」という感想を洩らす子がいて、ちょっと驚きました。面白さより残酷な感じを受ける人もいるのかもしれませんね。