だるまちゃんシリーズは、私はてんぐちゃんしか読んだことがなくて、もっと小さい子向けのシリーズだと思っていました。
シリーズのほかの作品は知りませんが、この絵本を読んで、こういう長いのもあるんだなとびっくりしました。
先日、娘が幼稚園から持って帰ってきました。
我が家にあるのは、こどものとも社から、特選こどものともライブラリー、という名で、月刊絵本として本年度発行されているものなんです。過去のこどものともの名作をハードカバーで復刊したもので、書店では手に入らない、今しか手に入らない、ものなのだそうです。
てんぐちゃんと比べると、こちらの本はずいぶん現代風ですね。
てんぐちゃんでは、かまどがあったけど、こちらは台所ですね。スリッパまで履いてるし。サッカーしてるのも現代風?
そんなことはさておき、子どもって、初めて会ってもすぐに仲良くなれますね。
でも、一般的には、いっぱい遊んで仲良くなれるのに対し、だるまちゃんとやまんめちゃんは、ちょっと会話しただけで、もうお友だちです。
だるまちゃんのお母さんも、ちょっと会っただけのお友だちのおばあちゃんの為に、ネーブルいっぱい持たせて、いいお母さんですね。
ネーブルって、ビタミンや糖分があって、風邪には良さそう。多分それでネーブルなのかなと思います。
そして、山に生えている果物であれば、やまんめちゃんがすでに採っている筈でしょうから、お店で買うような果物を持たせるのは、そういうことなのかなと思いました。
やまんめって名前、何かなと最初、思いました。
やまんばは、山の婆だからやまんばで、やまんめは、小さい女の子なんでやまんめかと納得。一般にある言葉なのかな?。
やまんばあちゃん、一般に想像されるやまんばとは全然違いますね。
加古里子さんはあとがきの中で、「昔話に出てくる山婆、山母、仙女は恐ろしい妖怪が多いのですが」本来は「常に敬虔な態度で自然に接し、利用や採取狩猟の時は、許認の手続と細心の配慮と行動で臨んで」いた人々なのに、里人に伝承されるうちに「最も重要な自らも自然の一部である自覚や共存共生の精神がうすれ、単なる奇妙な風俗や怪奇惨虐説話となっているのは残念の極みです」と書かれています。
この絵本で、やまんばあちゃんややまんめちゃんに出会えてよかったです。やまんばあちゃんややまんめちゃんが本当にいたら、会って仲良くなりたいです。
今、娘の最もお気に入りの絵本になっています。
普通に書店で手に入らないのがとても残念です。
特選こどものともライブラリーは任意契約なのですが、契約して本当によかったなと思える一冊でした。
別のだるまちゃんシリーズも読みたくなりました。