正直に書きます。ずっと話を読んできて、最後のチコの独白
つばさのいろはかわったけれど、こころのなかはかえられない。
かんじることや かんがえることは、みんなそれぞれちがうはず。
おもいでだって 見る夢だってちがうんだもの。
が、まったく意味が分らないので、頭の中が???マークでいっぱいになりました。
そして、何日かその状態で過ごしていたのですが、やっぱり、こなせないので原本を
図書館から借りてみました。そして、その部分はこのように書かれていました。
”Now my wings are black” I thought ”and yet I am not like my friends.
We are all different. Each for his own memories and his own invisible
golden dreams.”
これは私の勝手な主観ですが、翻訳者のさくまゆみこさんが言葉を補っているので、
残念ながら、わかりづらくなってしまっていると感じました。
英文を読んで、この話は、見掛けの変化を通して、チコが自分自身とは何かを認識した
話なんだと分って、すっと心に入ってきました。
つまり、みかけが同じであろうと、ひとそれぞれが経験してきたことや、これからの
未来に抱く希望や夢やらが違うのだから、私達は誰も同じではない。自分は自分である
ということを伝えてくれている話だと思いました。
あすなろ書房さんから出版されたこの絵本は、私が図書館で借りた英語の絵本より、
ずっと紙の質がよくて、つるつるしている紙なので、レオ・レオニの絵がとても映えて
見えました。特に、願いを叶えてくれる鳥のページがとても美しくて圧巻でした。
そして、レオ・レオニの作品の中では珍しく? インド的な感じなのも、とても気に
入りました。話としては、とてもよい話だと思います。
その分、他のレオ・レオニの作品もテーマが確かに深すぎてモヤモヤ感が残ることが
ありますが、この作品は、別の意味での分りづらさがとても残念に思えた本でした。