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てんちゃん文庫

ママ・50代・佐賀県、女の子22歳 男の子20歳 女の子15歳

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てんちゃん文庫さんの声

79件中 61 〜 70件目最初のページ 前の10件 4 5 6 7 8 次の10件 最後のページ
よいと思わない 2度目以降にやっと理解  投稿日:2019/11/09
しんかんくんとあかちゃんたち
しんかんくんとあかちゃんたち 作: のぶみ
出版社: あかね書房
新幹線というモチーフが使われていること、そして擬人化された新幹線と子どもとの日常を描いたという点で子どもたちに人気だと思っていたしんかんくんシリーズのうちの一冊。
二度、三度と読んでやっと理解できると、可愛らしい絵柄とは裏腹に、個人的には不快なテーマでした。

全体的に、かわいい赤ちゃんがたくさん出てくる絵は和みます。
途中の下品な描写は、子どもによってきっぱり好みが分かれるところでしょう。

最初に読んだ時、ラストに近いところで、しんかんくんの発したセリフの意味を私はつかめませんでした。
預かった赤ちゃんの世話をしていて、その赤ちゃんたちがいなくなって不安で泣いていたしんかんくん、赤ちゃんたちが見つかった直後に発した「(自分は)ママがいなくて泣いてた訳じゃないんだ」ってどういう意味?どうして唐突にママ?このシーンになぜママが関係あるの?と。
2度目に読んだ時、自分だって「赤ちゃん」なのだと、赤ちゃんたちの世話を上手くできなかった自分を感じてしんかんくんが泣くシーン、その流れからの思考回路かと気づきました。
つまり、しんかんくん=まだ赤ちゃんの世話ができない赤ちゃん、その赤ちゃんが調子に乗って、できもしないのに大勢の赤ちゃんを後先考えずに預かった。自分が預かると言っておきながら、「赤ちゃんを押し付けていった(しんかんくんの目線)」ママたちがいなくなって不安でしょうがなかったということか!と。
なんのためらいもなく、大切な赤ちゃんを託す母親たちのシーンが冒頭にあるので、そことの整合性がなく、1回目は正しく読み取れませんでした。

さらに後日気づいたこと。赤ちゃんたちが見つかったシーンでは、赤ちゃんたちはみんなでしんかんくんのママ(あるいは一般的な「ママ」という存在)に扮していたのだということ。なるほど、分かりにくいけれどちゃんと3つの場面はつながっていて、しんかんくんのセリフはそれを受けてのことだったのだと分かりました。

しんかんくんを立派な「大人」だと思って赤ちゃんを託す母親たち、なのにしんかんくんは実は「子ども」そしてそんなしんかんくんをなぜか深く理解し、大人目線で慰める赤ちゃんたち。それまでは普通の赤ちゃんたちとしてしか描かれていないのに。
母親たちと赤ちゃんたちのその設定の不自然さがこのストーリーを非常に分かりにくくしているのですね。

実は1ヶ所だけ非常にリアルな場面がありました。それは奮闘するしんかんくんをサポートするかんたろうくんの場面。なんだか慣れないパパと息子が赤ちゃんのお世話をしているように見えました。
このシーンがあったばかりに、私のこの物語に対する印象は次のようなものになってしまいました。
それは、未熟な父親が、妻に赤ちゃんの世話を頼まれ、上の子の力を借りながらなんとか頑張ったものの結局、俺が「子ども」なのに上手く出来るわけないじゃん!と逆ギレしつつ、でも、赤ちゃんという存在はかわいいと思いたい、という物語です。
かわいい絵柄なのにホラーです。
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自信を持っておすすめしたい 秋空の色!  投稿日:2019/11/08
また あした
また あした 作: ぱく きょんみ
絵: 伊部年彦

出版社: 福音館書店
幼児さん向けおはなし会で、気候の良いこの時期におでかけしたくなるような絵本はないかな〜と、本棚を見ていて「発掘」しました。
福音館書店の月刊絵本ですので、かつて息子が幼稚園から持ち帰ったものなのですが、忘れていました。
描かれている空の色、本当に今の季節のよく晴れた日の空と同じ色なのです!
他の絵も温かみと存在感のある絵で素敵です。
文章も無駄なくすっきりとしていてリズミカル。
それもそのはず、絵を担当した伊部さんは、普段は画家としてのお仕事が中心、文の担当のぱくさんは詩人。だからこんなにアーティスティックなのですね。
ぜひハードカバーで出版していただきたいものです。大人の読者が喜びそうな「幼児絵本シリーズ」になりそうです。
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自信を持っておすすめしたい これぞ「おはなし」  投稿日:2019/11/01
ありこのおつかい
ありこのおつかい 作: 石井 桃子
絵: 中川 宗弥

出版社: 福音館書店
数年前に『ノンちゃん雲に乗る』をじっくりと読んで以来、すっかり石井桃子さんのファンになってしまいました。それ以来、片っ端から著書を読んできましたが、これは数少ない絵本のうちのひとつ。やっと読む機会を得ました。

なんてシンプルで、読み手を最後まですんなりと連れていってくれるお話でしょう!少々不安な気持ちにさせながらも、どんどんとお話が進んでいき、最終的にはきちんと始末がついています。子どもの正義感を納得させられる展開です。痛快で、思わず笑ってしまいました。
さらに、不安を残さぬよう、主人公ありこちゃんはきちんと務めを果たして、安全にお家に帰ります。

中川宗弥さんの絵も素晴らしい!
分かりやすく具体的に描くべき場面と、抽象的に描いた方が良い場面とのバランスが絶妙で、アーティスティックです。
子どもへの優しい眼差しを感じさせる絵本でした。
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自信を持っておすすめしたい 賛否両論ですが…  投稿日:2019/10/31
たべたのはだれ?
たべたのはだれ? 作・絵: 薮内 正幸
出版社: 童心社
2〜3歳位の幼児さん向けのおはなし会用に、秋を感じさせる絵本を探している中で見つけました。
図鑑のようなリアルな絵で、動物たちとその食べ物の様子が描かれています。かじられた跡のあるクルミなど、きちんと観察された上で描かれたであろう絵に、その場にいた他の2人も納得の上で選びました。
この本は読みかたりには使わず紹介のみする予定でしたので、こちらのサイトも参考にさせていただこうと思って開いてみました。そしてあまりの評価の分かれ方に驚きました。

実際に本を読んで、モズのはやにえ、小鳥が捕まっているところ、その辺りが残酷に感じられるのも分かりました。
しかし、私はこの絵本を子どもたちから遠ざける必要性は感じませんでした。
なぜなら、ひとつには、子どもと大人とではものの見方、感じ方が違うからです。
長くなりますので詳しい説明は省略しますが、一例を挙げます。私たちにとって、なぜ小鳥が食べられるのが残酷で、魚の活け造りはそうでもない(中には残酷!と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが)のでしょう。ひょっとしたらタカに踏みつけられている小鳥を魚に置き換えたら、視覚的にショックを受ける大人は少ないのでは?
このように「残酷さ」というのは、ある程度成長していく中で身に付ける文化的なものもあるのではないでしょうか。
ふたつめに、この絵本では、「捕食」という見え方によっては残酷に見えるシーンを、子どもが読むものとして最大限配慮して描いてくれていると思うからです。
モズのはやにえは、昆虫の顔が見えない角度から描かれています。タカに捕らえられた小鳥は、少し血が付いてはいるものの、食い散らかされる前のきれいな姿です。フクロウに食べられたネズミも、ペレットの状態で、怖さよりもむしろフクロウの独特の生態に関する知識に興味が持てるようになっています。
この本を私と一緒に選んだ一人が言っていました。小さい子が、庭先や草むらでモズのはやにえを目撃しないとも限らない、と。だから隠す必要はないだろう、と。
子どもがそのような自然に触れるのはおかしなことではありません。その時にこの絵本のことを思い出したら、ああこれはモズの食べ物なのだと、不必要に怖がらなくて済むということもあるかもしれません。
自然をありのままに描くということは、厳しいようでいて実は優しいのではないか、そんな気がします。

絵本を読む時は、読み手がその絵本に持っている印象がそっくりそのまま聞き手に伝わるものだと、経験を通して実感しています。
ですので、この本を「残酷だ」と思われる方は子どもさんにこの本を読んで聞かせない方が良いでしょう。
取り扱いの難しい本かもしれませんが、私はきちんと子どものことを考えて作られた絵本だと感じましたので星5つにします。

ところで、娘が幼稚園でこの本を読んだことがあったとのことでしたので、当時の印象を聞いてみました。「面白い科学絵本だったよ!」とのことでした。
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自信を持っておすすめしたい 独裁制を考える  投稿日:2019/10/26
あしたのための本(2) 独裁政治とは?
あしたのための本(2) 独裁政治とは? 作: プランテルグループ
絵: ミケル・カサル
訳: 宇野 和美

出版社: あかね書房
民主主義の社会では相対的に「悪」とされる独裁政治。民主化を達成した当時のスペインの立場からすると当然の、絶対的な悪として描かれる独裁者。
独裁政治とはどんなものか、その危険性とはといったことが分かりやすく描かれています。
そこかしこで犯罪行為何でもありの、まだ社会が成熟していない古代社会では、独裁制に似た専制政治は社会の秩序を守るものとして機能していたこともあったでしょう。
しかし、市民として自由を求め、人々は民主主義を勝ち取ってきた。その大切な権利を決して手放してはいけないという気概が感じられる絵本です。

このシリーズ全てに、巻末コラムがついていますが、本書のコラムは編集後記と共に、本文の内容を見事に補完してくれています。

見返しの独裁者たちの似顔絵、かなりデフォルメされているのにそっくり!というところも見所です。
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自信を持っておすすめしたい 社会階級を知る  投稿日:2019/10/26
あしたのための本(3) 社会格差はどこから?
あしたのための本(3) 社会格差はどこから? 作: プランテルグループ
絵: ジュアン・ネグレスコロール
訳: 宇野 和美

出版社: あかね書房
子どもたちを見ていると、自分たちの社会に存在する格差は、中学生でもはっきりと肌で感じていることが分かります。小学生も何となく、持つ者と持たざる者との違いを感じているでしょう。
彼らの疑問に分かりやすく応えてくれるのがこの本。
中産階級という、幅広い定義を持つ階級の説明は、子どもにも理解しやすいようにシンプルに書かれています。上流階級と労働者階級は子どもたちにもイメージしやすいでしょうが、この本において中産階級とは、何となく「大金持ちとごく”普通の”人たちの間にいて、労働者を監督するような立場の人」というイメージで捉えることができるのではないかと思います。
編集部のあとがきに書いてある通り、この本が最初に書かれた1970年代末には、社会格差は縮まっていくと考えられていたことでしょう。しかし、そんな期待とは裏腹に格差は広がる一方の世界。ですがこの本では、労働者階級こそが強かで公平性を重んじ、平等を信じる人々であるという立場がしっかりと主張されています。社会の大多数である労働者階級の子どもたちが、将来を切り開く勇気を持てる描き方に好感が持てました。

なお、見返しにはインドの双六「へびとはしご」が描かれていますが、子どもたちはこのゲームを知っていたので、そこで盛り上がっていました。
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自信を持っておすすめしたい 古いけれど新しい  投稿日:2019/10/26
あしたのための本(4) 女と男のちがいって?
あしたのための本(4) 女と男のちがいって? 作: プランテルグループ
絵: ルシ・グティエレス
訳: 宇野 和美

出版社: あかね書房
編集部のあとがきに書いてある通りの感想を持ちました。確かに、このシリーズ4作の中では一番時代遅れな印象です。しかし、自分の周囲ではあまり考えられなくとも、広く辺りを見回すと、現実には女性の地位がこの本が最初に書かれた40年ほど前からそう変わっていないのではと思い知らされることもあります。そう考えると、今でもこの本が私たちに訴えかけてくるものは軽視できないと思います。
巻末コラムにある通り、女性差別を男性差別とすり替え、両性を分断・対立させることは最も避けなければならないことです。コラムのラストに書かれている素晴らしいメッセージを、次代を担う子どもたちがキャッチしてくれるといいなあ。

4作とも復刊に伴い、絵は新しく描かれていますが、どれも秀逸です。この本の画家紹介の文章には笑ってしまいました。『カーマスートラ』の挿絵を描かれたというのは納得。きっと洗練されたカーマスートラでしょうね…
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自信を持っておすすめしたい ロングセラーの予感  投稿日:2019/10/24
ひみつだから!
ひみつだから! 作・絵: ジョン・バーニンガム
訳: 福本 友美子

出版社: 岩崎書店
大ベテラン、ジョン・バーニンガム氏の作品。比較的新しい本ですが、安定の仕上がりです。まず10歳の娘に、それから4年生に読みかたり。

現在では完全室内飼いの猫が増えましたが、それでも猫が家族の寝静まる夜中にどう過ごしているかという疑問は、子どもにとって身近なファンタジーへの扉のひとつだと思います。
そんな密かな喜びを満たしてくれる絵本。

立憲君主制のもと、女王陛下のいらっしゃるイギリスならではのストーリー展開も興味深かったです。
子どもたちは、わざわざフルネームで書かれている登場人物の名前にも面白がっているようでした。

ラストシーンの「ひみつだから!」というセリフ。タイトル通り、登場人物たちと素敵な秘密を共有したような気分になれる楽しい読後感でした。
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自信を持っておすすめしたい 現代風「昔話」  投稿日:2019/10/18
にじいろのさかな
にじいろのさかな 作・絵: マーカス・フィスター
訳: 谷川 俊太郎

出版社: 講談社
昔読んで普通に良い話と思っていましたが…近年、賛否両論きっぱり分かれることを知りました。
嫌いという方のレビューを見ても、「そんな話だったっけ?」とよく分からず…
そんな折、読みかたりボランティアの仲間との学習会でこの本が紹介されました。
読みかたりを聞いて、やっぱり最初に読んだ時の印象と変わらず、いい話だなあと素直に入ってきました。

この本が嫌いという方の理由として「鱗を分け与えなかったから仲間に入れないなんてひどい」というものが多く見られましたが…いや、そもそもにじうおの態度はあまりにも尊大だよねと感じました。
憧れの眼差しを持って近づいてきた魚たちをまず無視したのはにじうおの方。そして自分より小さな魚に威張り散らすにじうおに怯え、あるいはあきれて周りの魚たちは距離を置いていった…と…。「仲間外れ」というと、何だかとてもひどいことをしている感じがしますが…どちらかというと、気難しい地主に村人が寄り付かなくなったようなイメージ?

それから、ここでの「うろこ」というものは、体の一部というよりは、例えば富の象徴だったり、豪華な服飾だったりというような比喩的なアイテムとして私には自然と感じられたのですが、そこでもし引っ掛かって面白くないと感じる子がいるとしたら、昔話のような、比喩的な表現が前提のお話をあまり読んだことがないのかなと思いました。(若干発想が飛躍していますが。)ちなみに、虹色の鱗を「美貌」や「才能」に置き換えられている感想もお見かけしましたが、この絵本の世界では鱗は着脱自在のアクセサリーのようですし(鱗を取ったりつけたりすることに何の制約もないので)、才能というのはそれを使って何かをするというイメージですので、私には読んでいる最中にはそう感じられませんでした。

「にじうおは鱗を分け与えたから皆と仲良くなれた」というのは、「たまたま人より財産があり、それを盾に威張って周りを見下していた者が、財産を社会に還元する方向で活かすようになって皆の尊敬を集め始めた」という風に読めたので、私には面白かったのだと思います。
まあ、寓話ですよね。それをそのままアニメーションにもできそうな可愛く鮮やかな絵柄とキャラクターでテンポ良く描いた感じ。私は好きです。
幼い頃に読んだらどう感じたのかなあ…我が家の子どもたちに聞いてみました。小さい頃読んだ記憶があるという17歳娘によると「特別、面白い!というほどでもなかったけど、別に嫌な気はしなかった。最近読み直してからすごくいい話だなあと思った」とのことでした。
残念ながら初版で読んだ頃、私は大学生。既に成人していたのですよね…
ここまで読む人によって解釈が分かれる作品も珍しいなあと思いました。好意的な感想でも、色々な解釈があり興味深かったです。
エールの代わりに星5つつけます。
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自信を持っておすすめしたい みんな釘付け!  投稿日:2019/10/15
こねこのチョコレート
こねこのチョコレート 作: B・K・ウィルソン
絵: 大社 玲子
訳: 小林 いづみ

出版社: こぐま社
ほぼ出版と同時に購入しましたが、初めて読んだ時から大好きな本。我が子や幼稚園の子どもたちに何度も読みました。
今回は久しぶりに年長さんに読みかたり。

私が読みの練習をしている間、小4の娘は「男の子の欲しがりそうなおもちゃ、女の子の欲しがりそうなおもちゃって…性別関係ないやろ」と軽く毒づいていましたが…うん、私もあなた位の年頃だったらそういうツッコミいれてたかも…と思いつつ、でもそういうジェンダーバイアスなんて気にならないくらい素敵なお話だと思います。

小さい女の子が葛藤する様子、自分の行為に恥じ入り反省する姿、年長さんたちが共感を寄せて主人公の行動を見つめているのを感じました。
ハラハラドキドキ、面白いストーリーなのですが、このお話の、私が一番好きなところは、幼い人たちに対する優しいまなざし。登場人物たちが、失敗してしまってもいいんだよ、皆でフォローし合えば大丈夫。というメッセージを、主人公に伝わるような態度で接しているところ。

もともと素話として作られたという情報は、こちらのサイトで初めて知りました。納得です。
子どもたちの間から漏れるように「おもしろかった」「おもしろ過ぎた」という声が聞かれたことに感動しました。
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【連載】絵本ナビ編集長イソザキの「あたらしい絵本大賞ってなに?」

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